赤鯱新報

【赤鯱短信】竹内彬と阿部翔平。プロの舞台で初めて相まみえる旧友たち。

竹内彬と阿部翔平

第2節は名古屋の右サイドあるいは甲府の左サイドで繰り広げられる、同級生対決に注目だ。写真=竹内彬と阿部翔平

2節のアウェイ甲府戦を前に、密かに楽しみにしているサポーターも多いと思われるのが元名古屋・現甲府の阿部翔平との再会だ。昨季は甲府でリーグ34試合にフル出場し、今季はJリーグのプレスカンファレンスにチーム代表選手として参加するど、すっかり甲府の顔になっている。プレスカンファレンスの際に挨拶に行くと、「今シーズンは楽にはいかないでしょうね。苦戦はすると思います。自分たちのスタイルである堅守を継続していって、勝てたらいい」と何とも謙虚なコメントを残してくれた。一方で「(田口)泰士が7番なんですよね?違和感ありまくりですよ。でも直志くんが託したならいいけど…」と、尊敬する高校の大先輩の背番号については思うところがある様子だった。

さてグランパスで阿部翔平と言ったら、竹内彬である。同じ横浜市出身で、小学生の頃からの仲間。グランパス加入当初には「どっちが先にJリーグでゴールを決めるか」という勝負をしていたことは知る人ぞ知るところの間柄だ。この勝負、その後のナビスコカップで阿部が得点を決めるも「リーグ戦で、だから」と竹内が認めず、竹内が千葉に移籍後シーズンで7得点を挙げた際には「J2だから2試合で1ゴール分とか言ってるんですよ」(阿部)などと、2人の間では折につけ話題になってきたが、昨季ついに阿部が正真正銘のJ1リーグでゴールを決め、決着がついた、ように見えた。

だが、阿部は言う。
「アイツの中では終わっていないかもしれません(笑)。彬が名古屋に復帰した時、電話しましたよ。アイツは右サイドバックもやるし、マッチアップしてみたいですよね。今季は2節で対戦するし、そこでゴールを狙おうかな(笑)」

なんと。なかなかにしぶといな、竹内彬。と思っていたら、そうでもなかった。この話を受け、ある日の竹内を直撃すると、「いやいや、昨季ので決着したでしょ。電話しましたもん」と潔く敗北を認めた。そして「同級生として、同じ舞台で戦いたいですね」と笑顔を見せた。ちなみにこの時、まだ矢野貴章は負傷しておらず、竹内はセンターバックのポジション争いの最中。まさか対戦が叶う流れになり、しかも右サイドバックとしてマッチアップすることになろうとは、神様もなかなか粋な演出をする。

思えば両者が対戦相手となるのはプロでは初。土曜日の甲府戦は、名古屋の右サイドあるいは甲府の左サイドで繰り広げられる、同級生対決にも注目しておいて損はない。

reported by 今井雄一朗

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