赤鯱新報

【名古屋vs鹿島】レビュー:ただただ痛恨の逆転負け。“もったいない試合”を撲滅するため、強烈なリーダーシップの顕現を願う。

■2016明治安田生命J1リーグ 1stステージ第13節
5月21日(土)名古屋 2-3 鹿島(18:34KICK OFF/豊田ス/17,499人)
得点者:46’田口泰士(名古屋)56’カイオ(鹿島)66’竹内彬(名古屋)86’鈴木優磨(鹿島)90+5’カイオ(鹿島)
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ギリギリの、僅差で勝負が分かれた試合だったはずだが、“読後感”は最悪だ。試合時間としては5分間、そしてアディショナルタイム6分間を加えた11分で、名古屋は天から地に突き落とされた。

2-1までは、あるいは後半40分までは、チームとしても成功と呼べる試合だったに違いない。トップ下の代役探しで田口泰士に白羽の矢を立て、ボランチには明神智和とイ スンヒを並べてセンターの守備力は従来よりもアップ。ボランチの位置から2列目に飛び出しての守備を展開していた田口は、その2列目から最前線でボールを追いかけ回し、後方の守備陣をサポートした。前半キックオフから30分ほどは鹿島にペースを握られる苦しい展開が続き、名古屋のファーストシュートはおそらく34分の永井謙佑。それまではボールをなかなか落ち着かせることができず、どちらかといえば鹿島の猛攻を跳ね返す印象の強い攻防を繰り返していた。

だが、永井によるチーム1本目のシュートを呼んだ田口のスルーパスが、流れを変えた。それまでにもトップ下の位置で地道にボールタッチを続け、前線への展開を画策していた司令塔の勝負パスが一つ通ったことで名古屋は形勢を回復。ここから前半終了までの約10分間で、3度の決定機を含む7本のシュートを鹿島に浴びせた。38分のコーナーキックからのシモビッチのヘディングは甲府戦を彷彿とさせる形であったり、39分の田口のペネトレーションは永井のトリッキーなパスをシモビッチがうまく持ち出し、背番号7がそこに絡んだ3人の崩しだった。41分にはイ スンヒがボール奪取から果敢に攻めあがり、永井に決定的なスルーパスを通すもGKに阻まれるビッグチャンス。前半30分までの出来を思えば、苦戦の情勢を自分たちで変えた手応えのある試合の折り返し方だったはずだ。

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