赤鯱新報

【特別コラム】“ミスター・グランパス”からのメッセージ「この選手たちが100%を出せば、降格なんてない!」

5日間の休養期間を経て、名古屋グランパスは残留をかけたラスト3試合への準備をいよいよスタートさせる。思わぬ苦戦を強いられ、いまだ何も安心できるところのない崖っぷちのチームを、“ミスター・グランパス”と呼ばれたクラブOBはどのような目で見ていたのか。10月某日、今は80名以上の部員を束ねる高校サッカーの指揮官として活躍する、かつての背番号21の元を訪ねた。

岡山哲也。ストイコビッチとの黄金コンビは記憶に新しく、チーム創設から13年を過ごした地元出身のレジェンドは、低迷する古巣を見て様々な想いを抱え、時に厳しい目で現役のグランパスたちを見つめていたと言う。しかし、ようやく残留圏へと這い出したチームを見て、一つの確信を得たともいう。

「100%を出せば、大丈夫」

サッカーへの情熱と反骨心を武器に戦ってきた叩き上げの男の熱い言葉。ぜひ聞いてほしい。

今季のグランパスの試合はもちろん見ていましたよ。でも自分もグランパス時代に12~3人の監督の下でやってきて、もちろん戦術とかモチベーションって大事な部分だったりするわけだけど、オレは何よりも、選手がもっと闘わないとダメなんじゃないの、って思ってました。自分が現役だった時にも今回のように監督が途中で代わることってあって、そういう時によく選手のコメントとして出るのが「監督の責任じゃない、僕ら選手がもっと力を出せればよかった」というもの。実際に僕らもそう言っていたし、そういう経験があるんだけどね。でもまったくその通りなんですよ。監督によって自分のパフォーマンスが落ちるというのは、僕の考えとしては「ない」。だって自分がプロサッカー選手で、周りもプロで、勝利のために、サポーターのためにやっている。そして自分がメシを食うためにサッカーをやって、人に感動や夢を与えて、それって何も不自由なことがないわけですよ。一番ベストな生活を送っているわけです。そして試合に出れば、ボールが一度自分に渡った時にお客さんすべてが自分に注目するわけです。テレビを見ている人の視点も自分に集まっているわけです。

オレね、それはすごく幸せなことだと思う。

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