赤鯱新報

【若鯱通信】第1回:髙田哲也アカデミーダイレクター兼U18監督インタビュー【アカデミーダイレクター編】「意識するのは個の強化。プロで通用する“武器”を見つけてほしい」

2017年の名古屋グランパスアカデミーを統括するのは、U18チームの監督と兼任となる髙田哲也ダイレクターだ。昨年は専任のダイレクターとしてU18、U15、U12の3部門のマネジメントを担当したが、U18がプリンスリーグ東海に降格したことで再び監督に就任。一昨季のプレミアリーグWESTでは最終節での大逆転残留を果たしただけでなく、名古屋U18を2度の全国タイトルに導いた手腕でトップチーム同様に1年でのプレミア昇格に挑む。
今回は本格的なアカデミーの始動に伴い、アカデミーダイレクター、U18監督の2つの立場から2017年の見通しを語ってもらった。間違いなく多忙な1年となる中で、育成の名将が考えていることとは?

〇髙田哲也アカデミーダイレクター兼U18監督
保護者説明会でも説明することですし、選手やスタッフには既にミーティングで説明してあることなのですが、アカデミーの目標はもちろんトップ昇格させるのが一番です。吉田麻也のように世界でも通用する、活躍できる選手を育てていこうと。アカデミーから昇格させるためには普段の練習から100%でやり、切磋琢磨させていくことで、決して全国優勝することが目的ではありません。しかし大会に出る以上は負けたくはないし、選手も試合に負けたくない。少し矛盾して聞こえるかもしれませんが、チームとしてやるべきこと、継続してやろうとしていることがその過程の中で出るならば、優勝できる方が良いね、という考え方です。選手自身にはその勝負にこだわらせることはしますが、スタッフとしてはやるべきことができていることの方が優先。負けて得ることだって多いですし、負けていいわけではなく、勝てばいいわけでもなく、積み上げてきたことを試合で出すことが大事です。

昇格することが一番大事という部分で選手個人にフォーカスした中では、個の強化。ここに尽きるところはあります。グループ戦術やチーム戦術、特に日本の指導者は型にはめたりだとか、システマティックにサッカーをしようとするけれど、それはあくまで個があった上でのもの。トップチームの風間監督はそこに着目しているし、風間イズムというか、「止める」「蹴る」「運ぶ」「外す」「見る」という個人の技術+個人の戦術をもっと引き上げていきたい。東海エリアではグランパスの選手はそこそこ上手い選手が集まっていますが、それもまだ「そこそこ」というところ。これぐらいでいいや、と思っている選手が多いし、それで実際に通用してしまっているところもある。だから気づかない。これが関東や関西の強豪と戦うと機能しなかったり通用しなかったりします。そこを普段のトレー二ングからしっかりやらせようと。逆に言えば、それができればグループもチームも上がっていくという考え方です。

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