石井紘人のFootball Referee Journal

【無料記事】2016J1 1st第1節 横浜Fマリノス 0-1 ベガルタ仙台 東城穣審判団評

富士ゼロックススーパーカップ2016のサンフレッチェ広島×ガンバ大阪戦J1第一節の柏レイソル×浦和レッズ戦、第二戦の川崎フロンターレ×湘南ベルマーレ戦と開幕から毎節誤審が続いているJリーグ。では、その他のJ1の試合のレフェリングにも目を向けてみたい。

1分、2分にはキッキングのファウル。3分にはボールにプレーできる範囲外からのチャージ。直後にも、クサビを受けた斎藤を引っかけたファウル。10分にも同様のファウルをとり、基準を作っていく。

13分、4:6のボールにアフターでチャレンジし、喜田の足を蹴った三田に警告。今シーズンのスタンダードが貫徹されている。27分の三田が倒れたシーンは、互いにボールにプレーできているためノーファウル。

55分、バウンドしたボールに足をあげた天野のファウル。天野はボールに触れてはいたが、足を高くあげており、その後にヘディングでクリアした平岡の顔に接触しそうにもなっていた。懲戒罰か議論できるが、ボールにプレーできていたことと、足裏をみせていなかったためか。前半を見ても、懲戒罰にはそこまで厳しくなかったのもあるだろう。

とは言え、78分の下平とウィルソンの競り合いは、下平が背中に体当たりするような格好だったため、【ラフプレー】で警告を与える。82分のようにコンタクトしてしまうファウルでも、ボールへの意図があれば懲戒罰は出さない。両選手ともマッチし、荒れた展開にはならない。

55分のシーンは論点となるが、試合に影響はなかった。採点は3だろう。

判定への是々非々の議論は重要だが、一試合の誤審のみを大きく報じ、その他のレフェリーを見ないようにしていては、選手やサポーターと審判の齟齬を生んでしまうだけである。両輪が噛みあった強いリーグにするために、メディアもその役割を果たさなければいけない。

 

 

~採点基準~

5:彼なしに試合はありえなかった

4:普通に試合を終わらせた

3:ミスにも見えるシーンがあったが、試合に影響はなかった

2:カード・得点に対する受け入れられない微妙な判定があった

1:ミスから試合に影響を与えてしまった

0:試合を壊してしまった

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