石井紘人のFootball Referee Journal

【無料/連載⑧種をまく指導者:坂本康博のN-S式トレーニング】2-3 阪南大学「学生のためにも、メディアはチヤホヤしない方が良い」

―退場者が出たのは球際を強くいこうという部分で。

 

「というよりは、むこうが分かっていたというか。まぁ、なかなか。」

 

―関西リーグの直近の試合では0-6でしたが。今回はどのように。

 

「前回は、ちょっとおかしな試合になってしまってね。今回は、もう一度、攻めのディフェンスをと。それが慶應との試合でも活きて。0-6というのは、流れの中で複数得点とられて、ボロボロになっていったので、そのスコアからはすぐに切り替えられました。」

 

―退場者が二人出ても、粘りのある戦いが出来たのでは?

 

「皆の気持ちが戦うという方向に繋がっていったので、それは評価したいと思います。」

 

―あえて課題として挙げるならば?

 

「あえて課題ね(笑)二人も(退場者が出て)いないとサッカーできないですよね(笑)」

 

―一年振り返って?

 

「一年生で頑張れる選手が出てきたので、リーグ戦でも一番多い時で6人くらい使った。言い訳ではなくて、四年生には教育実習があるので、抜けないといけない。(澤上)竜二も9月の実習があるし、そういった意味でリズムが作れない。リーグ前半は実習で抜けても負けなしで来ていて、最後に関学には負けたんですけど、その流れが夏以降、勝ち点が上がらずに、バラバラのような状態になって、インカレを最後の最後で決めれて、この大会は悔いの残らないようにしようと上級生が頑張ったと思います。」

 

―一年生の菊池(流帆)君とか、凄い堂々としていて。

 

「そうですね。」

 

石井:落ち着いた立ち上がりだったと思うんですけど、試合前に選手たちにはどのような指示を?

 

「阪南の方がボールを持てるし、回せるから、落ち着いて耐えていけと。そうすれば、必ずチャンスが出てくるからというだけですね。」

 

石井:前半の中盤くらいの時間帯で、少し修正を与えたように見えたんですけど。

 

「相手の動きが落ちたことで、そういう流れになりましたね。」

 

石井:交代が当たって、得点が生まれましたけど、狙いは?

 

「最初から予定していたんだけど、もうちょっとスピードを活かして欲しかった。得点は上手く活かせたけど、もう少しスペースで働けるようにしたかったんですけど。人数少ない分、アイツが奥まで持っていって、キープ出来たらもう少しね。」

 

石井:一人目の退場の時は、選手たちもあまり慌ててないなと。

 

「皆の最後までやるんだという気持ちが、ああいう形になったのだと思います。阪南には悔しい思いをさせられているので、リベンジの気持ちもあったのではないでしょうか。」

 

―浅野(雄也)君のゴールは凄かったですよね。

 

「あの形は何度か決めているんですよ。なので、左利きなんだけど、あえて右サイドで使って。」

 

―澤上君が、これからプロに行きますけど、どのように分析されていますか?

 

「今大会は足の状態が良くなかったので、そこのところをちゃんと回復させないと。Jに行けば味方の技術は上がるので、シュートチャンスは増えると思います。ウチはゲームメイクが不在で、全体で動きながらという戦い方でしたが、真ん中にいなしたり、捌ける選手がいればね、阪南の14番のような。(池上)丈二をそこに置きましたけど、生粋ではないから。一年生に良いのがいて、展開を作れるんですけど、(今大会は)ちょっと骨折で間に合わなくて。」

 

―延長戦から太田(賢吾)選手を前に置いて、浅野選手をサイドに置いたのは?浅野選手を前でプレスにいかせるというのは?

 

「人数いないからね(笑)あの布陣しかなかった。浅野は、あまり守備が得意ではないので、サイドの方が力を出してくれるということで、結果も出してくれて。」

 

石井:流帆君のプレーに観客も沸いていて、一年生ですけど、これから注目を浴びてしまうと思うんですけど。

 

「あまり注目して欲しくないんですよ。まだまだやることたくさんあるので。覚えは悪いんですけど、気持ちはしっかりしているので、素直に必死にやってくれる。ちょっとずつ技術も上がっていっているので、大怪我をさせないようにしながら、育てていきたいですね。」

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