石井紘人のFootball Referee Journal

【審判批評ルール解説vol.15】南アフリカ戦でU-23日本代表の亀川がとられたハンドリングとは?

4-1というスコアで終えたU-23日本代表×U-23南アフリカ代表。日本の一失点の発端となった亀川諒史のトラップを、手倉森誠監督は「“手”倉森ジャパンだけに1失点目は手を使っちゃいました」とジョークで振り返ったが、【ボールを手または腕で扱う】、いわゆるハンドリングとはどのようなファウルなのだろうか?

まず、ハンドリングは、「ハンドリングをする意図があっても、手や腕にボールが当たらなければ、ハンドリングにはならない」(上川徹)。

とは言え、手や腕にボールが当たればハンドという訳ではなく、【次のことを考慮しなければならない】。

  • ボールの方向への手や腕の動き(ボールが手や腕の方向に動いているのではなく)
  • 相手競技者とボールの距離(予期していないボール)
  • 手や腕の位置だけで、反則とはみなさない。

分かりやすく説明すると、

ハンドリングという反則明確な定義というのが、なかなかありません。例をあげると、手を大きく使って、スライディングでブロックにいく。スライディングに行く時には、手を体につけてスライディングするのは難しい。このプレーは、見ようによっては、ボールの方向に手が動いたように見えるし、自然な状況とも見える。どうしても主観が判断に入ってしまうので、何をもって正しいとするかが非常に難しい。ただ、この見極めのなかではこういう手の広げ方はしないであろと。ということは、ボールが来る状況をふまえて、手を広げた可能性が非常に高い。そこでボールが当たればハンドリングの反則。というような仮説をふまえる。仮説とか状況とか選手の意図を総合的に判断します。総合的なので、個人の価値観、サッカー観が加えられて、反則かどうかは我々審判員のなかでも、ジャッジが分かれます

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