石井紘人のFootball Referee Journal

【石井紘人レポート】プレミアリーグRay氏「監督には、審判批判の前にリプレイを見て欲しい」  

「今日は大宮アルディージャの渋谷(洋樹)監督がベンチに入れなかった。何があったかは僕には分かりませんが、彼が何かをした、とんでもないことをしたとは僕にはとても思えないですし、とにかくレフェリーを含めてJリーグはみんなでレベルを上げていく。勝負にこだわっていく中で「言った」「言わない」の些細なことはあります。僕も時々とんでもないことを言ってしまいます。

だけど、その元となるものは、決して大宮の渋谷監督だったとは僕は思えないですし、みんなでレベルを上げていく。Jリーグをいいリーグにしていく。そこには選手や監督やサポーター、クラブスタッフだけではなく、レフェリーの皆さんと一緒に成長を続けるべきだと思います。 そうではなければ、海外に出れば笛に悩まされてということが続いていくと思います。ひとりの監督の仲間として、また一緒にいいものを互いに作っていければと思います。」(アルビレックス新潟公式サイトより)

J1セカンドステージ第5節の大宮アルディージャ戦に勝利したアルビレックス新潟の吉田達磨監督は、「最後は余計でしたが、そう思っています」と先述のコメントを残した。吉田監督が指摘しているのは、4節の浦和レッズ×大宮アルディージャ戦後に、大宮アルディージャの渋谷監督が侮辱的な発言をしたということで、第5節が出場停止になったことで、“その発端は審判のジャッジにあったのでは”と暗にほのめかしている。

確かに4節の柏レイソル6節のジュビロ磐田11節のガンバ大阪はアルビレックス新潟からすると議論して欲しいジャッジがあった。その反面、アルビレックス新潟ベンチが大抗議した3節のラファエルのシミュレーションは正しい判定だった。埼玉ダービーの試合後に侮辱的発言があったのも驚きで、そのようなレフェリングではなかった。

にもかかわらず、なぜ監督からは妥当なレフェリングでも審判団への不満が起きてしまうのか。プレミアリーグやフットボールリーグなどの審判に関する独立組織「Professional Game Match Officials Limited (PGMOL)」に所属しているRay Oliver氏に、審判批判が起こる原因を『FA審判委員会~Jリーグ2016シーズン前半戦を振り返って』後に訊いた。

 

―モウリーニョは激しい審判批判をすると思うんですけど、それに対して、PGMOLから何か言うことはあるのですか?

 

「定期的に全てのクラブの監督たちとミーティングをしますし、シーズン前は各クラブの監督と話をします。監督たちも必ず出席してくれています。我々もよく理解しているのですが、 

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