石井紘人のFootball Referee Journal

【無料/西村雄一審判批評】浦和レッズ×FC東京:どんなに良い判定でも2割のサポーターから不満はあがるのがレフェリー  

JリーグYBCルヴァンカップ準決勝第2戦を割り当てられた西村雄一審判団のレフェリングは、完璧に思えた。試合後にドレッシングルームに戻るチーム西村にも、メインスタンドから拍手が送られた。だが、一部のサポーターからは不満の声が起きていた。

10秒、足裏をみせたチャレンジをとり、1分にはプッシング。2分にも同様のファウルをとる。3分にも中島の足を引っかけたため。5分にはアフターのチャージ。6分にも平山の腕。7分にも河野がアフター気味だったため注意をとるなどコミュニケーションを駆使してレフェリングしていく。表現力もあり、完璧な立ち上がりとなった。

8分のボールアウトは、FC東京のCKにすべきに見え、東もエキサイト。これを西村主審は高圧的に対応するのではなく、落ち着くまで待つ。

15分と19分の武藤が倒れたシーンは、ボールにプレーできているためノーファウルとする。20分には遠藤にボールを奪われ、ショートカウンターになりそうになった所をホールディングで止めた梶山に警告。基準が明瞭になった。32分の接触は影響が少ないので取らない。38分の興梠のゴールをアシストした駒井がオフサイドではなかった見極めも的確である。39分、平山の足にいってからボールにいった宇賀神のファウルをとるが、宇賀神がエキサイトしたため毅然と突き放す。良いコントロールだ。43分には平山を引っかける恰好になった宇賀神に“二度目だよ”と注意を与える。45+1分、エリアの外にクリアしに出てきたGK大谷が、目測を誤ってハンドリングをしてしまい警告。【得点の機会阻止】に該当しないため、カードの色も妥当である。52分、PA内で駒井の突破をスライディングで引っかけてしまった小川に警告。65分の遠藤のファウルは、サポーターからブーイングが起きたが足に影響したためで、基準通りである。74分のボールアウトは飯田淳平追加副審が見極めたか。ナイスジャッジである。

90+1分の李と室谷の競り合いはギリギリで、42分の平山のオフサイドはミスジャッジだった。そういった微妙な判定もあったが、採点は4を与えられる。

 

~採点基準~

5:彼なしに試合はありえなかった

4:普通に試合を終わらせた

3:ミスにも見えるシーンがあったが、試合に影響はなかった

2:カード・得点に対する受け入れられない微妙な判定があった

1:ミスから試合に影響を与えてしまった

0:試合を壊してしまった

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