石井紘人のFootball Referee Journal

【無料/審判紹介コラムvol.8】チャンピオンシップ決勝浦和レッズ×鹿島アントラーズ家本政明主審のレフェリースタイルは?  

本日1925分に県立カシマサッカースタジアムでキックオフとなるJリーグチャンピオンシップ決勝第一戦、鹿島アントラーズ×浦和レッズ戦。主審を割り当てられたのは家本政明プロフェッショナルレフェリー(PR:日本サッカー協会と契約するプロの審判員)、副審に越智新次、山口博司。追加副審は松尾一PRと荒木友輔だ。

FIFAワールドカップ2018ロシア大会アジア最終予選で苦しい戦いを強いられている日本代表内部から、「審判員の笛を吹く基準、特徴や傾向に対応した戦い方をしなければ」という声があがっているようだが(参考記事:(参考記事:【石井紘人の審判批評】W杯『日本vsUAE』で起きた“疑惑の判定“”中東の笛“を斬る)、それはJリーグでも同じ。ということで、家本主審とはどのようなレフェリーなのか?

一部のサポーターからは、未だに色眼鏡で見られてしまっている。それは、妥当な判定だったものの、騒ぎになったことで沈静化させるために会見に出席させられたことが大きい(参考記事:【石井紘人コラム】ゼロックス後に家本政明主審が批判された理由)。

だが、実際には『判定力』に対する評価は高く、ウェンブリースタジアムで行われたW杯を控えたイングランドの国際Aマッチの主審を妥当に務め(参考記事:【連載第一回:家本政明ノンフィクション】受け入れられた審判)、その高い『判定力』と説得力あるポジショニングを買われ、FAカップ一回戦のアポイントも受けた(参考記事:家本審判員がプレミアで初の快挙)。

正しい判定を積み重ね、コミュニケーションをとれる選手とのマネジメントが信頼関係も構築し、審判員と選手の理想的な関係も築いている(参考記事:中澤佑二と家本政明と中村憲剛 / チョン・テセ、家本政明主審と議論したことを明かす)。

そんな家本主審は絶対にブレない。立ち上がりの15分に基準を示し、それを貫徹する。大きな判定に迷うこともない。また動作解析にも長けており、選手のファウルアピールに惑わされない。

スタンドからだと、接触が見えないために、選手のアピールにつられてしまうかもしれないが、審判団に過去のアレルギーから罵詈雑言を飛ばすのではなく、「家本なら」と委ねた方が試合を楽しくみられると思う。スタンドの苛立ちをピッチに伝染させては元も子もない。審判批評は、試合後にいくらでもできるのだから。

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