石井紘人のFootball Referee Journal

【膝痛腰痛肩こり首こりは歩き方で治る】その歩き方はいけません! 間違いだらけのウォーキング常識

  • 今すぐ歩き方を直しなさい

「ウォーキングの本を作りたい」という依頼が入った時に、(編集部の)彼らには「どこを歩く本を作るのですか?」と問い返しました。

すると、答えに詰まり、「一般的なウォーキングですから、舗装された道を歩くような感じでしょうか」と自信なさそうに答えたのです。

これは彼らに限った話ではないでしょう。「健康ウォーキング」と題された本や、平らな公民館や体育館で行われている歩き方講座では、「歩けば健康になります。歩く時はこう歩きましょう」と、歩く状況や歩く時間に触れずに一つの歩き方のみが指南されているように思います。健康ウォーキングの効果や歩き方講座のすべてを否定する訳ではありませんが、「いったい、どこを歩こうとしているのだろう?」と疑問に感じます。編集部の話を聞いた時に覚えた違和感と同じです。

あなたの歩く環境をイメージしてみましょう。実際に「歩く」と一言で言っても、様々な変化が待ち受けています。

家を出た時は平坦な道かもしれません。ですが、電車に乗る時や会社に入る時に避けられないのが階段です。駅や会社には、ほとんどといっていいほど、階段があります。さらに、都心には多くの上り坂や下り坂があります。このように、現実には色々な起伏に富んだ道が多くあります。

そこを一つの歩き方、世間では一般的とされている「腕を振って大股で歩こう」だけで歩くのは無理があります。想像すればご理解頂けると思いますが、階段や下り坂で腕を振って大股で歩くことは不可能です。

さらに、雨で濡れているといった路面環境もありますし、歩く人自身の履いている靴がどのような靴なのかによっても歩き方は変わります。たとえば、都心には雨で濡れると滑りやすくなるタイルがあります。平たんな道であっても、滑りやすいタイルを大股で歩けば、転んでしまうでしょう。たとえば、ヒールを履いている時に、腕を振って大股で歩けば、ヒールが折れてしまうと思います。さらに、知らない土地を歩いているのか。買い物中なのか。カバンを持っているなど、歩いている状況も加わります。

本来、「いつ、どこで、だれが、なぜ、どのように」歩くのかによって、歩き方は変わります。にもかかわらず、多くの人々が同じ歩き方で歩いてしまっているのです。

また「腕を振って大股で歩こう」という歩き方が、健康な歩き方として紹介されていますが、なぜ「腕を振って大股で歩く」と健康になるのでしょうか?

私は、歩く環境によって、歩き方を変えないから体に負担がかかるのだと思いますし、健康ウォーキングの常識とされる「腕を振って大股で歩こう」にも疑問を感じます。

日本人の膝痛や腰痛、肩こりや首こりの人口は増え続けています。これだけ医学が発達しても増える一方で、今後も右肩上がりが予想されています。

こうした痛みの原因は、歩き方をはじめとする「日常の動作」にあると思います。

膝痛や腰痛、肩こりや首こりを治療で治しても、日常の悪い動作を変えていかなければ、再発してしまうでしょう。その理由も、これから説明していきます。

逆に言えば、歩き方をはじめとする「日常の動作」を変えるだけで、健康寿命を延ばすことができるのです。

本書では歩くことで生じるダメージやリスクをいかに減らすかということを主眼としています。歩き方を変えるだけで、未来は変わります。

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