石井紘人のFootball Referee Journal

【審判批評無料コラムレフェリーブリーフィング】荒木友輔の正しいジャッジだった札幌×浦和興梠へのPKと主審のミスだった磐田×鳥栖やガンバ大阪×広島

本日、日本サッカー協会(JFA)審判委員会による『2017  JFA レフェリーブリーフィング』(参考記事:クラブから意見があった判定について「我々のミスもあった」と公表)が開催され、約50名前後のメディアが集まった。

今回から新たに前席に座ったメディア30名にリモコンが配られ、「3 18 日から 4 23 日までのJリーグ、および天皇杯 1 回戦のレフェリング」のうち15の事象映像が流された後に、リモコンで「ノーファウル」「シミュレーション」「ファウル」「ファウル+警告」「ファウル+退場」と選択する試みが行われた。映像は通常とリプレイが2回繰り返される。そして、10秒間ジャッジする時間が与えられ、10秒後に30名中何%がどのようにジャッジしたかが画面に表示され、その後で正しい判定が説明された。

メディアの結果はというと15問中9問正解が1人、10問正解が6人、トップは12問正解で1人、上位のみの発表ではあったが、パーセンテージを見る限り半数は7問以下(あくまでも推測)だったように思う。

ちなみに私は12問正解。間違った判定はFootBallRefereeJournalFBRJ)内でも議論になったジュビロ磐田×サガン鳥栖戦(参考記事:ムサエルのシュート時のジュビロ磐田選手はオフサイド)のオフサイドの見極め。FBRJ内で「真横の映像がないためオフサイドかどうか分からない」と記したが、審判委員会は真横からの映像を用意し、ジュビロ磐田5番の選手がオフサイドポジションにいることを示した。これは副審も見極めていたようだが、『GKにインパクトを与えていたか』はシュートを打った瞬間の位置関係から『与えていない』と主審は判断した。だが、「シュートを打たれた後に5番の選手はGKから離れず、GKとシュートコースに近付いてしまっている」(上川徹JFA審判委員会副委員長)ため、オフサイドとすべきだった。

一方で浦和レッズ×コンサドーレ札幌で興梠慎三が獲得したPK(参考記事:山本昌邦氏「自分の(足が)絡んでバランスを崩した」)は、多くのメディアが「興梠のシミュレーション」を選択したが、スロー映像で興梠の足がトリップされる瞬間が流され、「荒木友輔主審のナイスジャッジで、良いポジションにいますね」という声がメディアからもあがった。

他にもFBRJ内で議論になった川崎フロンターレ×ヴァンフォーレ甲府戦(参考記事:GKソンリョンへのヴァンフォーレ甲府ドゥドゥのチャレンジは相手競技者の安全を脅かすタックルでレッド?)を含め、スライディングでのチャレンジ、ペナルティーエリア内での事象、オフサイド、ハンドリングの説明が行われた。

また読者からコメントのあったFC東京×サガン鳥栖戦(参考記事:イバルボへの森重の不用意なチャージ)、ヴィッセル神戸×柏レイソル戦(参考記事:岩波への二枚目の警告はボールにいっていないではなく右足をフォーカス)、アルビレックス新潟×FC東京戦(参考記事:ホニのシミュレーションと大久保へのPKは?)、ベガルタ仙台×鹿島アントラーズ戦(参考記事:クリスランのそがはたへのファウルは、当たったかどうかではなく、チャレンジの仕方)も適用を訊いたので、こちらも後ほどFBRJ隔週レポート(参考記事:コラムインタビュー)にてアップしたい。

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