「GELマガ」鹿島アントラーズ番記者・田中滋WEBマガジン

【コラム】フィジカルコーチ不在のシーズン開幕。石井改革の肝である運動量を向上させることは可能なのか?(2016.02.09)

 前例のないシーズンが始まろうとしている。アグレッシブにボールを奪いに行くスタイルは、過去の鹿島では当たり前のように見られた戦い方だった。だが、他のクラブには無いゲームコントロールを身につけてからというもの、そうした戦い方は次第に影を潜め、少しずつクラブのアイデンティティから薄れていた。いま鹿島に在籍する選手のなかで、シーズンを通してそうしたスタイルで戦った経験があるのは、小笠原満男と曽ヶ端準だけだろう。どれだけの疲労度が負荷として身体に残り、どういうシーズンを過ごせばいいのか手探りで挑むことになる。

 前例がないのはそれだけではない。フィジカルコーチの肩書を持ったコーチがいないままシーズン開幕を迎えようとしているのだ。それなのに、選手たちのフィジカルをあげるやり方もこれまでとは一線を画す手法を採っている。素走りをしない宮崎キャンプがどれほどの効果を生むのか、不安視する声が聞こえてくるのも当然だろう。しかし、チーム内部からそうした声を聞くことはまったくない。誰もがコーチングスタッフに全幅の信頼を置いている。

 

 

(残り 1354文字/全文: 1813文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ