「GELマガ」鹿島アントラーズ番記者・田中滋WEBマガジン

☆無料記事☆石井正忠監督「焦れずに入れば必ずチャンスはあることを選手がわかっていた」/1stステージ第15節浦和戦(2016.06.12)

■石井正忠監督

今日の試合、非常にタフな戦いになることはわかっていました。レッズさんは非常に攻撃力がありますし、ああいう変則的なシステムが年々固まってきている非常に強いチームだと認識していましたので、当然厳しい戦いになるとわかっていました。前半は、少し押し込まれる形で、自分たちが思っているよりも縦パスを多く入れられてしまって、少し押し込まれてしまう形になりましたけど、そのなかでも相手陣内に深く入り込む形を見せながら、後半はもっともっと最終ラインで余らないような形で自分たちからボールを取りに行く形を見せることができて、相手を押し込む形ができたんじゃないかと思います。1点取って、少しまた後ろに重たくなってしまった状況になりましたけど、交代選手を入れたことによって、またさらにもう1個前にプレッシャーをかけられるようになって、カウンターのチャンスもできていた、と。そして、追加点を取れたことは非常によかったと思います。

 

――先制点のところは浦和のミスのようにも見えたのですが、ブロックの前を通るパスに対して狙いがあるように見えたのですが?

その辺はミーティングでは言ってないんですけど、ボールが走る、走らないというところもあって、選手が狙いを持ってやったんじゃないかと思います。でも、全体的には自分たちがやっている前からプレッシャーに行く形(をやれましたし)、当然そこから相手のミスも出てくるでしょうから、そこを拾ってという形になったので、そこも全体の狙いの一つではあります。

 

――普段よりは前から行く守備ではなく、ボランチが一人下がる守備的に戦うように見えたのですが、監督に意識はなかったのでしょうか?

そうですね、あそこは枚数的にボランチが一人下がる形でないとマークにつけないので、一人は前に出て相手の柏木選手をマークする形にして、もう一人のボランチは下がる形で対応できると思っていました。その辺の部分でいえば、全体的にはそんなに下がっている感じではなかったんですけど、そこに相手の2シャドーの選手や1トップの興梠選手が下りてきたときに、もう少し勇気を持ってボールに対してプレッシャーをかけに行って、ボールを繋げさせない形は前半からつくりたかったんですけど、そこが少し甘かったかなと思っています。

 

――1点目を取ったあとに後ろに下がってしまった。もう1点を取るまでの間はどうしようとしていたのか?

おっしゃられた通り、すこしまた下がってしまって、僕から見ていると後半の立ち上がりは後ろに余らない形で前からプレッシャーに行けていたんですけども、そこが1点取ったことによって、また1枚が余る形になってしまって、後ろに重たくなってしまったと思うんですね。そこをもう1回、前からプレッシャーに行くために交代選手を入れて、という形にしました。だから、やっぱり全体的に下がってしまったことでああいう風に押し込まれたんだな、と思っていたので、そこをもう1回、ボールを奪いに行く形、制限する形にしたいと思って交代選手を入れました。

 

――結果的に、その効果があって、監督の期待よりも大きかった?

期待通りというか、はい。できたと思います。その辺、こっちが思ったことを選手がすぐに修正できるので、その辺の選手の能力は高いな、と改めて感じました。

 

――リーグタイトルから遠ざかっていて、勝たないといけない試合で道が開けなかったと思います。監督やコーチが変わって、どの辺が変化して勝ち切れるようになったと感じていますか?

これだ、という一つの要素じゃないと思うんですね。選手たちが自分たちから積極的にトレーニングに取り組むだとか、あとは僕自身はあまり選手にストレスをかけずにプレーさせてるので、そういう点で自由度に増したとか、いろんな要素があると思います。もう1つ、昨年カップ戦ですけども、ナビスコカップを優勝できたということは選手の自信になってると思うので、その辺の部分では今日のゲームの流れからすると、ほんとに前半耐えて、また後半も立ち上がりはいい入り方をして、全体で焦れずに入れば必ずチャンスはある、というところを選手がわかっていたんじゃないかと思います。そういう細かいところの積み重ねが合って、いまこういう状態になっていると思います。

 

――ボールに対してガンガン行くのは選手が考えてやっているのでしょうか?

大まかな部分では、練習で私やコーチが言いますけども、細かいタイミングというのはピッチに立っている選手がやらないとわからない部分なので、その辺はいろんな組み合わせをしてだとか、チーム全体であれをできるような状態にしているところで、まずは数多く試合に出ている選手ができているというところ。あれもサブの選手だったり若い選手が全体が連動してできるようになることが僕の理想です。積極的にああやって前から、自分たちからボールを奪いに行きたいですね。

 

 

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ