「GELマガ」鹿島アントラーズ番記者・田中滋WEBマガジン

【レビュー】シュート0本で終わった前半が持つ重要な意味/2ndステージ第13節新潟戦(2016.09.26)

 前半だけを見れば、なんとももどかしい試合だった。お互いに決定的な場面をつくれず、両チーム合わせたシュート数は新潟の1本のみ。石井正忠監督は「中盤の攻防なんかは非常に見応えのあるシーンが何度もあったと思う」と言っていたが、むしろ互いの攻撃のクオリティの低さが数字となって表れた印象だ。序盤、前から奪いに来る新潟のプレスを押し返すことができず、自陣でプレーする時間が長くなったことがシュート数に反映されていた。

  しかし、その戦いが予め計算済みの下で行われたものだとしたら、前半の見え方は変わってくる。中2日のアウェイ戦で相手よりも蓄積している疲労、急造DFライン、本職でない右SBのファン・ソッコなど、守備に不安を抱えている状況で、新潟と打ち合うのは愚の骨頂。できるだけリスクを避けて勝機を待つという意味では、勝つための最大限の努力がなされたのが、この新潟戦だったのではなかろうか。決して誇るべき内容でなかったが、できることをチーム全員が遂行して結果を得ることに成功した、価値ある勝利と言えるだろう。

 

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