「GELマガ」鹿島アントラーズ番記者・田中滋WEBマガジン

☆無料記事☆石井正忠監督「悔しいです。本当に悔しいです」/CWC決勝レアル・マドリード戦(2016.12.18)

■石井正忠監督

――すばらしい試合でした。どういう戦略で臨むか、リスクマネジメントをきっちりして失点を抑え、攻めるところは攻める。90分、最高のゲームだったが?延長で2点届かなかった理由は?

スタメンだったり交代選手を入れることで、何か変化を付けることでどうにか追い付こうと思ったんですけど、その辺がうまくいかなかったと思います。本当に選手は120分間しっかりファイトしてくれて、あのレアル・マドリードに対して120分間真っ向で戦ってくれたので、私の力の無さなんじゃないかと思っています。

 

――2位に終わりました。日本のサッカーでどのような意味を持ちますか?日本のサッカーの歴史のなかでどういう意味合いがありますか?

まだまだ日本のサッカーは、プロができて25年くらいなので、今回出場するクラブの歴史から言うとかなり浅い部類に入ると思う。その日本のサッカーがここまで来られたことは非常に意味があることだと思います。急激に日本のサッカーが世界に近づいたことを証明で来たんじゃないかと思います。

 

――人口6万7千人の鹿嶋市から生まれたクラブが世界一に挑戦して、あと一歩のところまで追いつめたことは、日本はもちろん世界中のあらゆるクラブに夢と希望を与えると思うのですが?

茨城の東の端に鹿嶋市はありまして、小さな街から生まれたクラブなんですけど、まずJリーグが始まる時に参入するときに99.9999%不可能だと言われて、コンマ0.0001%の可能性に懸けて街が動いてできたクラブだと思っています。そういったクラブが日本を象徴するチームになっていることは、世界の小さなクラブに勇気を与えるものだと思っています。

 

――120分間、集中力もアドレナリン、エネルギーも尽きることなく戦えた。そこまでできると予想していたのか?後半は最後押し込んでいて、いつ点が入ってもおかしくない状況だったがどんな気持ちで見ていたのか?

体力的な部分はある程度はいけると予想していました。非常に選手たちの個人個人の自己管理が良かったですし、ホテルでの生活態度、体調をコントロールするところもしっかりしていたので、期待はしていた部分です。

そのなかでも個々のスピードであったり、決定的なチャンスを決め切るというところでも体力は必要だと思うので、その辺が不足していたのかなと思います。そこの差があったと感じています。

 

――手放しの賞賛ばかりですが、本当は悔しいのではないですか?

悔しいです。本当に悔しいです。あのレアル・マドリードに対して、本当に相手を苦しめることはできたと思うんですね。本当にちょっとしたポジショニングだったり、プレーの判断ミスだったり、そういうところで失点しまったところがあったので、本当に悔しい思いでいっぱいです。選手は立ち上がりから勇気を持って120分間戦ってくれました。プレーのなかで、レフェリーの方が勇気を持てなかった場面が1つあったと思うんですけど、そこは非常に残念だったと思っています。

 

――いい試合をして勝てなかったこと、今日の悔しさや体感したことを、次の戦いに向けて選手がどういう反応をすれば一番いいと思っていますか?

このままこういう高いレベルの試合を、日本のJリーグでもしっかりやるべきだと思います。それは、私たちのクラブだけでなくJリーグ全体の発展にも繋がると思うので、これを続けていきたいです。当然、今回このような素晴らしい大会に出させていただいて、いろんなチームと戦って、いろんな経験をさせていただきました。来年はACLで優勝して、アジアの王者としてこの場に立ちたいと思っています。選手もおそらくそう思っていると思います。

 

――こういう相手と試合をする。同時に冷静さも必要になる。選手の心理的なコントロールで特別なことをした部分は?それともしないで入ったのでしょうか?

私自身から意図してなにか特別なことはやっていません。選手がこの大会のなかで、いままで経験できないような相手と対処して学んで、それを今日もしっかりやってくれたんじゃないかと思っています。この大会で選手全員が成長してくれたと思っています。私自身も勉強になりました。

 

――選手は勇気のあるプレーをしたと思います。セルヒオ・ラモス選手に対して審判が警告を出さなかったことについてはどう思っていますか?

さっきも言った通り、レフリーの方が勇気を持てなかったということだと思います。そこに対していつまでも気持ちを持って行かれないように、選手たちは最後まで冷静に戦ってくれたと思います。

 

――すべてのクラブチャンピオンにほとんど勝ちました。今日は別ですが、この奇跡は1年間続くと思いますか?もしくはアジアのチャンピオンがCWCで優勝する日が来るとしたらあと何年かかると思いますか?

これは、こういうテンションでの試合は続けなければ、世界との差は縮まらないと思っています。こういう試合を続けなければ、今回チャンピオンになったヨーロッパ代表のレアル・マドリードには近づかないと思っています。こういう試合を続けていって、アジアの大会でも他の国々でも、こういう試合をすることによってアジア全体のレベルも上がっていくと思いますし、またそこでアジア代表として出たときに強豪国と言われる国と対等に試合ができるんじゃないかと思っています。これを続けていかないといけないと思っています。

 

 

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