☆無料記事☆石井正忠監督「この天皇杯を獲ることが2016年シーズンの締めくくりだと思っていた」/天皇杯決勝川崎F戦(2017.01.01)
■石井正忠監督
歴史ある天皇杯を6年ぶりだと思うんですけど5回目の優勝ができて本当によかったと思います。今回、チャンピオンシップからクラブワールドカップ、そして天皇杯と約1ヶ月ちょっとで10試合おこなってきたんですけど、クラブワールドカップ決勝でレアルに敗れてしまって悔しい思いをしたなか、この天皇杯を獲ることが2016年シーズンの締めくくりだと思っていたので、その試合でしっかり勝ち切ることができて本当によかったと思います。これもみんな今年1年間アントラーズを支えてくれたチームスタッフ、スポンサーのみなさま、あとは全国にいるアントラーズサポーター、ファンのみなさまのおかげだと思っております。
――試合を見ていてどっちが10試合をやっているのかというくらいの動きだった。どういうところがこういう試合に繋がったのでしょうか?
まず、コンディションの部分はクラブワールドカップの決勝でも、延長戦を戦って、あのレアルマドリードと戦ったという経験もここで生きたんじゃないかと思いますし、内容的にも押し込まれながらも守備のところで耐えて、チャンスを狙うというところがハッキリしたので、その辺の戦い方もこの120分もった要因ではないかと思っています。あと、当然クラブワールドカップを終えて天皇杯の準々決勝が試合では一番やりにくいと思ったのですが、そこでしっかりホームゲームで勝つことによって、準決勝、決勝をモチベーション高く戦えたのではと思っています。
――アントラーズの勝負強さを改めて聞かれたときにワンワードで答えるとしたら?
これは、タイトルを獲ったものしかわからない勝負所がわかる、ということだと思います。
――守備の堅さがこの1か月間光っていたと思いますが、昌子選手が非常に成長したと思います。監督にはどう映っていますでしょうか?
彼はもともと1対1の強さは非常にあって、そのなかでCBとして安定したポジショニングだったりコーチングだったりというところが、試合を増すごとに、今シーズンに入ってからかもしれませんが、どんどん良くなっていったということだと思います。あとはビルドアップのところでも自分からミスをしてペースを乱すこともあったんですけど、その辺もしっかりビルドアップのところでも安定感が増してきたことで、自分のプレーも安定してできてきてるんじゃないかと思います。クラブワールドカップであのレアル・マドリードのFW陣を抑えたということはかなりの自信になってると思いますし、それがプレーに表れているんじゃないかと思います。
――小笠原選手にカップを掲げることを促されたときどんな気持ちだったか教えていただけますか?
満男はああいう性格なので、チームのために戦うということを頭に入れながら戦っている選手で、ゲームキャプテンが(カップを)上げるべきだと思うんですけど、それを監督の私にまずカップを持たせてくれたということは、日頃から自分が犠牲心を払ってプレーしている表れだと思います。ほんとうに嬉しく思いました。
――選手交代で、後半早々に山本選手に代えてファン・ソッコ選手を投入したことと、同点に追いつかれたあとファブリシオ選手を入れたことについて
まずは、前半で交代した山本脩斗に関しては、少し前の試合から痛めていた箇所があまりよくなかったということで、それでドクターとも相談して後半からファン・ソッコで行くことにしました。
同点になったあとのファブリシオの投入についてですが、90分で決着をつけようと思って、3枚のカードを切ったということですね。そこはうまく行かなかったんですけど、そのあともしっかりチームが一体感をもって、自分たちのやるべきことをやってくれたと思います。ファブリシオ自身のパフォーマンスは、いつもしっかり前線でタメをつくって時間をつくって、後ろのサポートを待ちながら、あとはああいう状態だったのでとにかく1点取るためにディフェンスの背後を狙うために彼を投入しました。非常にシュート力もありますし、前に行く推進力もあるので、そこを期待して入れたので、彼が点を取ってくれてよかったと思います。非常に良いパフォーマンスだったと思います。