「GELマガ」鹿島アントラーズ番記者・田中滋WEBマガジン

【レビュー】顕著な“柴崎ロス”。小笠原不在のとき、どう戦う?/AFCチャンピオンズリーグ2017 ブリスベン戦(2017.03.15)

 これまで意識的に頭の外へ追いやっていたが、J1でも下位、もしくはJ2レベルの相手に苦戦するのを目の当たりにしたら認めざるを得ない。昨季終盤の1ヶ月で小笠原満男が先発せずとも質の高い戦いを見せられたのは“柴崎岳がいたから” 。そのことを如実に感じさせる試合となった。

 ブリスベン・ロアー戦に臨むに当たり、石井正忠監督は先発3人を入れ替えてきた。FWに鈴木優磨、ボランチに永木亮太、GKに曽ヶ端準。代わりにペドロ・ジュニオールと小笠原満男、クォン・スンテがベンチに座った。

 序盤から試合のリズムは掴めなかった。選手の視野は狭くボールが大きな展開で動いていくことはほとんどなかった。そのため相手にも次のパスの行き先が読みやすく、相手の守備陣形は崩れない。ドリブルを仕掛けていけばパスで相手をずらす必要はなく、目の前の選手を抜けばチャンスは広がったが、それができるのはサイドに開いている土居聖真くらい。鈴木優磨の得点は、伊東幸敏が思い切って縦に仕掛けたあとのクロスをボレーで叩き込んだものだが、あれもパスで崩したというよりは伊東が機会を見逃さずに仕掛け、鈴木と伊東の“意思疎通が取れたゴール”だった。

 

 

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