「GELマガ」鹿島アントラーズ番記者・田中滋WEBマガジン

☆無料記事☆大岩剛監督「手応えはあまりないです。正直に言って」/Jリーグワールドチャレンジ セビージャFC戦(2017.07.22)

■大岩剛監督 

セビージャFCの強さをまざまざと見せつけられたな、というゲームでした。ただ、選手対は粘り強く守備をすること、あとは奪ったあと攻撃には積極的に出ていくこと、そういうことをやり続けた結果が、今日来てくれたサポーターのみなさんが喜んで帰っていただける結果になったんじゃないかな、と感じています。

 

――ベリッソ監督が、前半はうまくボールをキープできたと言っていました。前半終了間際にレオ・シルバ選手を呼んでいましたが、奪ったあとに中盤からうまくボールを運べてないように見えました。その辺り、どのように考えていて、どんな指示を与えたのでしょうか?

前半、やっぱりボールを動かされてしまって、自分たちがなかなかボールを握ることができなかった。ただ、守備の面で自分たちのやるべきことはある程度はできていたと思います。奪ったあとの攻撃の質、あとはファーストプレーの質、判断の質、ポジショニング。そういうものがよくなかった、もしくはよくなくさせられてしまった、という状況が多かった。その理由としては、ボールを奪ったあとスピードアップをしすぎてしまった、ボールロストが多かったということを伝えながら、もうちょっと自分たちが落ち着いてサイドを使って攻めていくということを徹底しよう、という話はあのタイミングでレオには伝えたつもりです。

 

――今回のセビージャ戦のような戦いは、Jリーグのコンペティションを戦う上でどういう意味がありますか?また、今シーズンはレイソルとセレッソが勝ち上がっています。そこについてコメントをお願いします。(外国人記者からの質問)

名前のあがった両チームとも、それぞれが独特のスタイルを持っているチームです。それに対して自分たちが、リアクションなのか自分たちがアクションを起こしてプレーをしていくのか、そのところの判断だと思います。ただ、今日のようなボールを握られている時間が長いということに対しては、もっと自分たちからアクションすることで守備をしたり、奪ったあとに自分たちが支配したり、そういうやり方をすることで相手を押し込んでしまったり、自分たちがイニシアチブを握ることができると思っていますので、そういうサッカーをペナントレースのなかで数多くの試合でやれるように準備したいと考えています。

 

――改めて今日感じたセビージャの強さを教えて下さい。あと、昨日セビージャに対して自分たちのサッカーをやっていきたいと仰っていたと思いますが、それがどれくらいできたのか教えて下さい。

手応えはあまりないです。正直に言って。自分たちが前線から奪いに行く形というのは逆にやらせてもらえなかったと感じています。セビージャFCのレベルは世界最高峰と言われているラ・リーガであれだけの成績を収めることができる、というものをほんとに体感しました。たぶん選手も体感したと思います。試合が終わったあと、選手たちにも言ったんですけど、自分たちがあのレベルにならなければならない、と。一人ひとりの判断のレベル、パススピーカーのレベル、戦術レベルもそうですけど、相手に嫌なところをいかに突いていくのか、どういうタイミングで突いていくのか、そういうところを自分たちが経験できたので、それを日々の練習で質を高めていくこと。あとは、一人ひとりでレベルアップしてもしようがないので、チーム全体でレベルアップすることと、あとは選手の自覚でしょうかね。一人ひとりが成長していこう、チームが成長していこう、自分たちの目指すべきところはどこなんだ、という話をさせてもらいました。それは僕らスタッフもそうだと思います。昨年、レアル・マドリードとああいうゲームをしたあと、いろんなメディアのみなさんに評価してもらいましたけど、決定的に違う差を感じたので、今回も縮めるどころか広がったんではないかな、と。厳しい見方をすれば広がっているんじゃないか、ということを選手にも話しました。だから、いまの自分たちの意識では縮まらない。もっともっと厳しい見方、サッカーに対する取り組み方、そういうものを改めながらレベルアップする意識を持って、日々の練習に取り組んでいきたいなと思います。少し長くなりましたね(笑)。そういう風に話をしました。

 

――後半になって鹿島がいい形でチャンスをつくっていたと思います。交代で入った鈴木選手、安部選手、印象的なパフォーマンスを残したと思います。2人の印象をお願いします。

2人とも非常に気持ちの入ったすばらしいパフォーマンスだったと感じています。ただ、いつもこれを僕は言うんですけど、それをやり続けること。それが重要だと感じていますので、彼たちが今日得た自信。もしかしたら、自信になったのかわからないですけど、そういうものを成長の糧にしてやり続けることが大事なんではないかと感じています。

 

 

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