デイリーホーリーホック

【HHレポート】「水戸ホーリーホックとスマートテックが新電力会社『水戸電力』を設立」 (2015/5/19) ※全文無料公開

【写真 米村優子】

【写真 米村優子】

「地産地消」の促進と「地域貢献」を図る

水戸ホーリーホックとピッチ看板スポンサーの株式会社スマートテックが共同出資して電力会社「水戸電力株式会社」が今年1月9日に設立。
4月17日には調印式が行われ、本日5月19日、水戸市緑町の茨城県立青少年会館ユース・アイで、ホーリーホックの沼田邦郎社長、水戸電力の小寺雄三代表取締役(スマートテック代表取締役)による記者会見が開かれました。

水戸電力は、湘南ベルマーレに続き2例目となる企業とJクラブによる電力会社。
一般家庭や小規模店舗も価格やサービス内容で電力会社を選択できる、2016年4月からの電力全面自由化に向けて、エネルギーの「地産地消」の促進と「地域貢献」を図る新電力会社を設立しました。
沼田社長は「ホーリーホックは、水戸を中心としたホームタウン協議会9市町村にお世話になっている地域に根ざしたチーム。そのための共同作業の形です。我々は300万円の内、1万円の0.34%という出資ですが、我々も大きなスポンサードをいただけるように活動していきたいと思います」。
小寺社長は「湘南ベルマーレさんの電力会社の発足前から我々も構想自体はありました。しかしあちらは大企業さんですが、我々は中小企業。どうしても動きが取れない部分もあり、先を越されてしまったなという思いはあります。新電力は新しい産業なので、誰かがスタートしなければならない事業。我々のノウハウを提供して、実績を積み上げ、様々な地元企業に出資、参画していただいて、地元に根付き、地元の力でつくり上げる電力会社をやっていきたい」と語っていました。

スマートテックは、太陽光発電やオール電化の販売・施工をする建設会社。本社のある水戸市を拠点に東京、神奈川、栃木、宮城など全国に展開中です。
「ホーリーホックと地域への存在意義を高め合い、一緒に共存していきたい」と2013年からホーリーホックのピッチ看板スポンサーとなりました(当時の社名は株式会社関東エコサービス)。
昨年はホームタウン推進協議会加盟9市町村の小学校、特別支援学校の小学部全児童対象に約4万冊の「水戸ホーリーホック創設20周年記念ノート」を贈呈。ホーリーホックとコラボしながら、地域貢献活動を進めてきた地元企業です。

水戸電力の事業計画の柱は、「地産地消」の促進、「地域貢献」の2つ。
まず、地元で発電された主に自然エネルギーの電力の買い取り、および地域の資材を活用したバイオマスをはじめとする発電所の建設を通じ、一般企業等(電力消費者)に電力を安く供給する「地産地消」を促進します。

そして「地域貢献」とは、事業収益の一部を関連するエネルギー・インフラ産業への投資に供することを通じ、水戸市をはじめ近隣市町村の雇用創出・企業誘致を促進し、地域経済の活性化を図ります。
「地域住民が住みやすい環境を作り出す」「新たな産業と地域企業を豊かにして雇用の創出を促す」「エネルギーの地産地消を促し、地域の資源を有効活用する」。この3つの好循環を作り、事業を運営していく予定です。
当初の水戸電力の株主は、スマートテックと水戸ホーリーホックですが、今後、共同出資者を募りながら、初年度は電力販売10億円の売上高を計画しています。

地元企業と連携した地域サービスをセット販売
自宅のHEMSに試合やイベント情報を配信

今後、電力全面自由化により、各電力会社が提供する独自の料金メニューやサービスの展開が予想されます。
そこで水戸電力は、地元企業と連携した地域サービスのセット販売、主にHEMS(ヘムス※)を活用したサービスを提供することで、他社との差別化を図ろうとしています。

水戸電力ではクラウドベースのオリジナルHEMSを無償レンタル。下記の様々なアプリケーションの提供を予定しています。

・地域サービス……ホーリーホックの試合情報などを配信
・高齢者見守り……普段と異なる使用電力になった場合、サポートセンターが親族などにアラートを発信する
・電子クーポン……地域企業、団体のクーポンを提供
・市内施設活用サービス……市内各施設の情報や予約ができるサービスの提供
・地域イベント告知……HEMSのコミュニケーション機能を活用して、ホーリーホックや地域のイベントを告知
・デマンドレスポンス……ひっ迫時の電力消費を抑えるため、地域施設の利用割引などのサービスを提供

※HEMSとはホームエネルギーマネジメントシステムの略称。家庭で使うエネルギーを節約するための管理システム。
電気やガスの使用量をモニター画面で「見える化」したり、家電機器を自動制御もでき、政府は2030年までに全世帯にこのHEMSの設置を目指しています。

沼田社長は「水戸ホーリーホックを知っていただくためのツールの一部として活用させていただきたい。なかなか一般家庭までチラシ配りも難しく、告知できる場が少ない中、毎日の暮らしの中に水戸ホーリーホックが出て来る意義は大きいのかなと思います」と新サービスに期待しています。

この日の午後に開催された一般説明会には、ホーリーホックのスポンサーを含む地域企業が参加。
地域貢献パートナースポンサーの株式会社ブックエース大森弘文さんは「我々もホーリーホックを応援していますので、『ホーリーブック大作戦』の情報を宣伝したりすることで、一緒に地域を盛り上げられるメリットは感じています。節電は企業の使命。我々も年間の電気料金は億単位となりますので、新たな電力会社にも注目しています」と検討中の様子でした。

地域の、地域による、地域のための電力会社を目指す水戸電力。
水戸サポーターのみならず、地域住民としても大注目の地元電力会社となりそうです。
今後の展開も随時HHレポートでお伝えしていきます!

(米村優子)

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