デイリーホーリーホック

【HHレポート】「ジュニアユースU-15がU-16ブータン代表とトレーニングマッチ開催」 (2017/7/18) ※無料記事

【写真 米村優子】

元ジュニアユース指導者の李成俊監督が率いるチームと対戦

水戸ホーリーホックのジュニアユースU-15が7月8日、ケーズデンキスタジアムのサブグラウンドでU-16ブータン代表とトレーニングマッチを開催しました。

ブータンのFIFAランキングは164位(2017年7月18日現在)。
国民の人口はわずか70万人で、国土は九州とほぼ同じ面積ですが、そのほとんどが山脈。サッカー場はFIFAが作った人工芝2面のみという環境の中、U-16ブータン代表は今年2月に発足しました。
そしてU-16ブータン代表は7月2日から8日までの7日間、神奈川県でU-16のトレーニングキャンプを実施。
チームを率いる李成俊監督が元水戸ホーリーホックのジュニアユースの指導者であることから、今回のトレーニングマッチが実現しました。

【写真 米村優子】

試合前、ブータンの国旗と水戸ホーリーホックのフラッグが掲げられ、互いの国歌を斉唱するセレモニーが行われると、厳しい西日が降り注ぐ中、40分×2本のゲームがいざキックオフ。
水戸は、ラインを下げて応戦するブータンに対し、主導権を握ってゴールに迫ると、13分にブータンGKのこぼれ球を押し込み先制。15分、33分にも得点を重ね、前半はブータンに1本もシュートを打たせずに3-0で折り返します。
後半46分に水戸が4点目を決め、ブータンを引き離しましたが、57分に水戸GKとブータンの選手が接触。水戸GKがレッドカードで退場し、水戸は数的不利の状況に陥ります。
その後、ブータンが攻勢になるかと思いきや、水戸はハイプレス、堅守で危なげなくゲームを展開。しかし完封勝利目前のアディショナルタイム、ブータンがペナルティエリア前の絶好の位置にフリーキックを獲得。そのまま直接、華麗なゴールを決められ、4-1で試合終了。水戸ホーリーホックジュニアユースU-15は、U-16ブータン代表に見事勝利しました。

【写真 米村優子】

昨年4月からJFA公認海外派遣指導者として、ブータンサッカーの強化を図っている李監督は「僕が水戸にいた頃の教え子達がとても成長していて、よいプレーヤーになっていたのも嬉しいですし、試合をやれたことに感謝しています。ブータンのサッカー少年にとって、Jリーグは憧れの存在。その下部組織と戦えたこと、また天然芝でサッカーができたことは、夢のような時間だったはず。負けの中から得られたことは、とても多いと思います。ブータンはみんな仲良しという国民性があります。それをチームワークに生かし、自発的にサッカー文化を発展させるサイクルを作りたいと思います」と語っていました。

【写真 米村優子】

【写真 米村優子】

試合後、多幸感に包まれたピッチ。歌、踊りで両チームの選手らが交流

互いの健闘を称え合った後は、同じくサッカーを志す10代同士の交流タイムに。
ブータンの選手らがゆずの「栄光の架橋」、SMAPの「世界に一つだけの花」、中島みゆきの「糸」などを日本語で熱唱して、ジュニアユースのメンバーに歌をプレゼントすると、次第に観戦に来ていた李監督の教え子達も一緒に肩を組んで輪になり、全員で大合唱。
そして歌と踊りが日常に溶け込んでいるというブータンの選手らがダンスを始めると、水戸の選手もぎこちなく披露。ピッチは笑顔と笑い声に包まれていました。

【写真 米村優子】

トップチームの練習や試合を観戦し、水戸ホーリーホック三昧の一日を過ごしたブータンの選手ら。
彼らにとって水戸ホーリーホックはJクラブの一つとして、強く心に刻まれたことでしょう。
いつか両チームの選手らが、A代表の舞台で再会する日が来るかもしれません。選手らの今後の成長が楽しみですね。

【写真 米村優子】

(米村優子)

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