Jウォッチャー ~日本サッカー深読みマガジン~

2010年大宮との制裁金額の違いについて「水増し総数の違い、長崎側からの自主申告、入場者数算定ルールに関する担当者の認識不足を勘案した(Jリーグ・鈴木氏)」~7月のリーグの理事会より(1)~

7月25日、JFAハウスにて7月のリーグの理事会が行われた。理事会後に記者会見が行われ、Jリーグ村井満チェアマンから決議事項・報告事項が発表された。

まず司会を務めるJリーグ広報部・村山より今回の決議事項等について説明が行われ、YBCルヴァンカップの大会方式についての説明があった。

○Jリーグ村山勉広報部長

「決議事項の中で、リリースは特に出さないんですが、ルヴァンカップの来年度以降の大会について、皆様にお知らせをします。
2018シーズン以降のYBCルヴァンカップの大会方式を変更します。
これまでは、グループステージにACL出場クラブ以外の14または15クラブが2組に分かれて、上位1位が勝ち抜けて、2位と3位はプレーオフステージを戦いその勝者が決勝トーナメントへ進みます。来年度については、16チームが参加します。4チーム×4グループとさせていただくことが決定しました。そしてJ2のクラブも参加することが本日決議されました。
J2のクラブについては、来年の大会で申し上げますと、今年のJ1の16位と17位が来年のルヴァンカップのグループステージに出場することになります。ただしACLのプレーオフJリーグのクラブが負けた場合にはACL本戦に出場するチームが3チームとなった場合は、J2の参加クラブは1クラブとなり前年度J1で16位のクラブだけとなります。大会規定等の詳細については、改めてプレスリリースを出させていただきます」

それから報告事項が4件あったことが発表されたあと、今回の理事会での決議事項・報告事項とは別に、V・ファーレン長崎に対する制裁決定についても発表された。
この件についてはJリーグ経営本部本部長の鈴木氏から説明があった。

○鈴木正雄 経営本部本部長
「昨年来、JリーグでV・ファーレン長崎のコンプライアンス関連の調査をしておりました。その中で最終的に本件が問題事項として裁定委員会にも諮り、最終的にチェアマンが制裁を決定しております。
制裁の中見ですが、けん責(始末書をとり、将来を戒める)と制裁金300万円としております。

V・ファーレン長崎に対する制裁決定について(リリース)

適用条項情報は以下の通りです。

①『Jリーグ規約』第141条〔チェアマンによる制裁および調査〕第1項
②『Jリーグ規約』第142条〔制裁の種類〕第1項第1号・第2号

具体的な違反行為についてですが

(1)V・ファーレン長崎は、2015シーズン開幕から2017シーズン第6節までのホームゲーム全46試合中45試合において、入場者数を、少なく見積もって約20,000人上乗せして発表していた。
(2)具体的には、入場者実数を発表すべきものを、運営関連スタッフや入場券を持たない無料観客等を、入場者数に上乗せして発表していた。

というところでございます。

3.制裁理由
(1)上記違反行為は、入場者数算定方法を定めた『明治安田生命J1・J2・J3リーグ戦試合実施要項』第39条〔公式記録〕第3項・第4項に基づかない算定方法であり、『Jリーグ規約』第36条〔スタジアムにおける告知等〕第1項第7号の違反となる。

(2)Jリーグ開幕当初より入場者実数の発表を行うことにより、透明性を保つことで、スポンサーやファン・サポーター等の信頼を得てきたことを勘案すると、Jリーグ全体の信頼を失墜させる行為である。
(3)入場者数の上乗せは、2015シーズン当初から2017シーズン第6節まで足掛け3年にわたって継続しており責任は決して軽くない。
(4)一方で、最終的には内部調査に基づく自己申告であること、入場者数算定ルールに関する担当者の認識不足によるものであること等も勘案し制裁内容を決定した。

制裁理由については4点書かせていただいていますが、上の3点の説明は割愛させていただきますが、かつて2010年に大宮で入場者数の水増しということで、2000万円の制裁事案がありました。2000万円と300万円の違いを、この4点目も含めてご説明させていただきます。

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