Jウォッチャー ~日本サッカー深読みマガジン~

入場料収入について。新スタジアム効果で約6億円増加のG大阪。浦和、川崎はここ3年間堅調に増収傾向で推移。J2岡山、J3相模原も堅調。~2016年度クラブ経営情報開示説明会より(7)~


7月20日、JFAハウスにて、2016 年度クラブ経営情報開示 メディア説明会が開催された。

5月の先行発表に続いて、今回は3月決算の3クラブ(柏レイソル、ジュビロ磐田、Y.S.C.C.横浜)全53クラブを含めて経営情報が発表された。

会見には公益社団法人日本プロサッカーリーグの木下由美子理事と、経営本部青影宜典クラブ経営戦略部部長が出席し、青影部長が説明を行った。

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○青影宜典クラブ経営戦略部部長

次の12ページでは、入場料収入の推移となります。2016年度と2015年度の比較を所属ごとに行っています。

■入場料収入(2015年度と比較)増収21クラブ、減収19クラブ(※ホームゲーム数が減少したJ3クラブを除く)

■前年比8億円の入場料収入が増加

この中で2016年度と浦和、川崎、2クラブはここ3年間を通じて見ても堅調に増収傾向で推移しています。

☆浦和公式:経営情報より
入場料収入は、カップ戦の2試合増やCS決勝出場もあり23億7,500万円(前年度比2億100万円増)でした。

☆バックスタンド・サイドスタンドも改修し、3万5000人規模のスタジアムへ
☆等々力競技場、収容人員3万5000人に (2017/5/30 日本経済新聞)
等々力陸上競技場第2期整備・整備の基本方針(案)の策定について(PDF)

それからG大阪も2016年度は13億9000万円ということで、前年度から大きく入場料収入を増収させています。

2017年2月4日(土) 第16回サポーターミーティングより引用
新しいスタジアムということでご覧の通り収入が増えております。チケットについては、約6億円増えております。グッズについても1億円の収入増となっており、収入について約9億円増えた事は皆さまのおかげだということで感謝申し上げます。
一方で支出も万博の時よりもオペレーションコストがかかってきています。
従いまして、今後選手の強化並びに施設の改善、運営の改善を継続していくためには、年間51億円で2016年は終わっておりますが、55億円の収入を目指すクラブにならないといけないと感じています。

またJ2の方では、J1と比べれば少ないですけど、岡山が3年間で堅調に推移しているのかなと思います。

【参考】ファジアーノ岡山の平均観客数推移(2017年は第30節終了時点)

年度(カテゴリー) 入場者数(人) 入場料収入(百万円)
2008(JFL) 3,665
2009(J2) 6,162 138
2010(J2) 7,162 124
2011(J2) 7,259 127
2012(J2) 7,986 141
2013(J2) 8,575 161
2014(J2) 8,404 161
2015(J2) 8,412 176
2016(J2) 9,127 200
2017(J2) 9,219

「Challenge1」についての記者会見(2)より引用
なぜ1万人か、というのはいくつかの理由があります。1つは、更なる資金力です。どうしても一番大きい収入であるスポンサーに目がいきがちですが、入場者数とグッズ収入を足すと3億円でスポンサー収入の65%になります。この両者は相関係数が高いため入場者数が増えるとグッズ売上も増え、これが安定した強化資金になり、より戦力を充実させ得ることになります。

無料観戦チケット“夢パス
・ホームゲーム全試合のA自由席に入場できる
・小学1年生〜6年生の方が対象
・理念に賛同した企業が入場料を負担

それからJ3に関しては、前回ご案内したとおり、U23のクラブが参入したことによって、ホームゲーム数自体が変更しています。2015年度はクラブに応じて19~20試合ホームゲームの開催数でしたが、2016年度からは15試合ということで、最大で5試合ほどホームゲームが減少しています。ですので単純にホームゲームの数が減ったことで、入場料収入が減った部分もあります。
その中でもJ3の相模原はこの3年間比較しても堅調に推移しています。

(8)へ続く

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