「柏フットボールジャーナル」鈴木潤

【無料記事】【レビュー】 高円宮杯U-18プレミアリーグEAST 第18節 柏U-18 vs 新潟U-18 「昼間拓海と中村陸のゴールで、ラストマッチを勝利で締めくくる」 -2012文字- (2016/12/12)

高円宮杯U-18プレミアリーグEAST 第18節

柏U-18 2−0 新潟U-18

得点者:20分 昼間拓海(柏)、59分 中村陸(柏)

●スタメン

GK猿田遥己、DF城和隼颯、東山航大、森大輝、宮本駿晃、MF鬼島和希(C)、中村陸、落合陸、加藤匠人、山田雄士、FW昼間拓海

柏U-18のシーズンラストゲーム。「気持ちが入っていた」(中村陸)との言葉どおり、開始早々に昼間拓海がドリブルシュートを放ったのを皮切りに、柏の攻勢が続く展開となった。アンカーの加藤匠人から何本も縦パスが入り、ゾーンの間で受ける昼間のポストプレーとターン、そこに鬼島和希と山田雄士が絡み、サイドの中村陸、落合陸へ展開してテンポの良い攻撃を奏でていった。

永井俊太監督も「展開自体は予想どおりで、そこに持っていけたのは良かった」と振り返った。ただ、決定機を数多く作れど新潟ディフェンスの身体を張った決死の守備にも遭い、なかなかネットを揺らせない。

ようやく先制点が生まれたのは20分。新潟ディフェンスの背後を狙った山田の浮き球パスに昼間が抜け出し、飛び出したGKを抜いて無人のゴールへ流し込んだ。

「新潟は後半に人を替えてパワーを出してくると予想していました。後半の立ち上がりはバタつきましたけど、そういう時間があるというのは伝えました」(永井監督)

前半のチャンスは堀航輝のシュート1本のみだった新潟は、永井監督の予想どおり圧力を強めて柏を押し込む。57分には長身の小枇ランディを投入して勝負をかけてきた。

チャンスの数が多いわりには柏のリードはわずか1点。その点が入らない状況に「少し焦っていました。もしかしたら2点取られて逆転で負けてしまうかなとも思った」(昼間)と嫌な空気が立ち込めた。だが柏は後半から出場の朝倉涼介が再三見せていたドリブルから活路を見出し、朝倉が中央につけたパスは新潟DFがクリアされたが、そのこぼれ球を拾った鬼島が通した縦パスをゴール前の昼間がコントロール。そこへ顔を出した中村陸がプッシュして点差を2点に広げた。

後半の立ち上がりこそバタついたが、その時間帯を除けば柏のダイレクトプレスが効いており、即座に奪いにいく切り替えが早かったため新潟はマイボールにしても効果的につなげず、アバウトなパスを城和隼颯、東山航大が回収して2次攻撃へ転じた。

終盤には柏、新潟ともひとつずつビッグチャンスを迎えたが、そこは双方の守備陣が集中を切らさず、最後のところで踏ん張りを見せた。

そのままスコアは動かず、2−0で柏が勝利。永井監督は「もっと得点が欲しかった」と苦笑いを見せたものの、シーズンラストゲームにして3年生にとってはアカデミーでの最後のゲームである。“最高の仲間”と歩んできた最後の試合を白星で締めくくり、笑顔と涙の大団円を迎えた。

Reported by 鈴木潤

試合終了後の監督・選手コメント

○永井俊太監督

「この日立台で最後のゲームができるというモチベーションは伝えました。点を取れれば…という展開でしたけど、それは課題でもあったので、でももっと(得点が)欲しかったですね(苦笑)。試合の展開自体は予想どおりで、そこに持っていけたのは良かったと思います。新潟は後半に人を替えてパワーを出してくると予想していました。後半の立ち上がりはバタつきましたけど、そういう時間があるというのは伝えました。あとは3年生が良い仕事をしてくれました。最後の試合で勝てて良かったです」

 

○昼間拓海

「最後の試合でしたし、自分はプレミアで1点も決めていなかったので決められて良かったですし、最後にみんなで勝つことは大前提だったので、勝てて良かったです。なかなか点が入らなかったので少し焦っていました。後半、もしかしたら2点取られて逆転で負けてしまうかなとも思ったんですが、陸が僕のゴールを奪って決めてくれたので(笑)、そこは良かったです。いろいろ悔しいこともあったんですけど、小学生からレイソルにいて、人生の半分を捧げてきたクラブなので、本当にお世話になって感謝しかないです」

 

○中村陸

「今日は気持ちが入っていました。まずはチームが勝つことを考えて、ゴールも取れれば最高かなと考えていて、前半立ち上がりから流れをつかんで得点の匂いはしていたんですけど、ちょっと硬い部分もあって、ドリブルしてもうまくいかなかったり、シュートを打っても相手に当たったたりしてしまいました。でも後半に拓海が行ってくれて、そのこぼれ球で1点決められたので良かったです。勝利で最後を終えられたのは大きいです。レイソルは小4から9年目なんですけど、思い返せば悔しいことの方が多いレイソル生活でした。でも今振り返ってみて、そのおかげで自分は成長できたと思うし、このクラブを愛しているし、ここに来て本当に良かったと思えているので、この悔しさと得たものを大学生活に生かして、プロになって戻ってきたいと思います」

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