「柏フットボールジャーナル」鈴木潤

【インタビュー】 同期アカデミーコーチ鼎談 〜ゴールデンエイジを語る〜 前編 -6145文字- (2016/12/27)

飯塚浩一郎U-15コーチ(左)、川崎諒スクールコーチ(中央)、御牧考介U-12コーチ(右)

武富孝介、酒井宏樹、工藤壮人ら、トップチーム昇格6名を輩出した代は柏レイソルアカデミーの“ゴールデンエイジ”と呼ばれている。近年、その彼らと同じ1990年生まれで、アカデミーで育った飯塚浩一郎、川崎諒、御牧考介の3人がクラブに戻り、アカデミーコーチとして後進の指導に励んでいる。“ゴールデンエイジ”とはどのようなチームだったのか。そして当時学んだことを、今度は自分たちがコーチとしてどう指導の現場に生かしているのか。

 

−アカデミー出身で1990年生まれのアカデミーコーチ3人に集まっていただきました。それぞれの紹介から始めたいと思いますが、まず3人はいつからの付き合いになりますか?

御牧 中1だっけ?

飯塚 お互いがチームメートになったのは中学1年生から。でもその前からお互いのことは知っているという状況で、僕が御牧のことを知ったのも小学校3年生の千葉県大会準々決勝でした。僕が新松戸、御牧が藤崎という街クラブに所属していて、準々決勝で対戦をしたときです。藤崎はそれまでにないぐらい強いチームで、その中で目立っていたのが御牧でした。御牧はFWで、今では考えられないぐらい身長が高くて(笑)、今では考えられないぐらいスピードがありました。

川崎 御牧の人柄は“不思議”ですね(笑)。サッカーに限らず、日常生活の中でも普通は考えないような発想や、自分の中では絶対にないアイデアをいろいろな角度から出してきます。そこでついていけなくて笑えない、みたいな。

 

−御牧コーチ、そういう自覚は?

御牧 多少はあります(笑)。でもそこは自信を持って貫き通しています。

飯塚 リアリストじゃなくアーティストの部類に入る人間です(笑)。

御牧 格好良く言ってくれたね(笑)。

 

−続いて川崎コーチはいつレイソルのアカデミーに入りましたか?

川崎 御牧と同じタイミングで、小学6年の終わりのセレクションを受けて、中1からレイソルです。

御牧 川崎は天才ですね。

飯塚 同感です。

御牧 天才というと感覚でプレーして言葉に表現できないタイプの人が多いかもしれませんが、それを言葉にして選手に伝えられます。あとはマイペースで、こちらとしては「早くしろよ」と思うことがあります(笑)。周囲と比べて時間の流れが少し遅いです。それで本人はあまり気にしていません。

飯塚 御牧が言うとおり、感覚でプレーする天才ではなくて、川崎は言葉にできて、理論があって、それを具現化できる。だから選手に伝えられる。東洋大の出身なんですけど、東洋大の監督が言うには「川崎とプレーしたら上手くなる」という話です。同じ天才でもタケ(武富孝介)とは違いますね。天才でも2つのタイプがあるんだなっていう(笑)。

 

−では飯塚コーチの紹介をお願いします。

川崎 貴公子ですよ。

御牧 イケメンです。

川崎 背も高いですし。

御牧 喋りも面白いですし。

川崎 見た目はずるいと思います(笑)。昨年、一緒に日体柏高校のトレーニングを見ていて、今年は僕が見ているんですけど、選手の反応がちょっと違うなというか…。そこは顔も影響しているのかなと感じます(笑)。選手は浩一郎の言うことの方を聞くと言うか、影響力が僕とは違います(笑)。

御牧 浩一郎は自分に厳しいですね。自分を追い込みすぎて、こちらが心配になります。厳しすぎてたまに身体はここにあるのに、心はどこかに行っているときがあるんです。それで「あ」と、ふと気づくときがあります(笑)。

川崎 ストイックな姿勢はアカデミー時代から変わらないですね。

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