【原点】宮吉拓実 Vol. 2[別格]
小学校3年生の宮吉拓実:上段左から4人目(堀越コーチ 写真提供)
京都サンガF.C.所属の宮吉拓実27歳、プロ13年目。
サンガでJリーグデビューしたのは16歳1ヶ月14日(J1リーグ史上2位の年少記録)。
これまでカターレ富山、サンフレッチェ広島、北海道コンサドーレ札幌でもプレーしてきたが、昨シーズン サンガに復帰し、Jリーグ通算200試合出場を愛するクラブで達成した。
サンガ下部組織で育ったことは知られているが、サッカーを始めたころはどうだったのか。
サッカー人生最初の指導者である恩師の堀越八輔氏(松庵小サッカークラブコーチ)が幼少期の宮吉拓実について初めて語る。
Vol. 2[別格]
「当時、同学年の中では背の高いほうで、足も速くて、パワーもすごくあった。拓実は強すぎたので、ほとんど同学年の試合には出してないというか、正確に言うと、1年生のときから6年生の試合に出してました。あり得ないですよね」
3年生で5年生の試合に出たときには、こんなシーンを目撃(もくげき)したという。
「5年生のFW(フォワード)の子が、パスを要求(ようきゅう)しないシーンがあったんです。ボールを要求して動き出していればシュートを打てるというシーンでした。そのとき3年生の拓実が5年生に対して『呼ばねえと出さねえぞ!』ってどなって、スルーパスを出したんです。そのFWが要求していれば、通っただろうパスをわざと出した。『走っとけよ』っていうメッセージがついてるようなパスでした」
このパスに追いつけるように走ったらゴールになるんだよと、コーチが示すようなことを試合中にやってのける小学3年生の拓実。
「周りを指導(しどう)してる、そういうかんじでしたね。だからといって、いばることはなかった。ほぼ6年生と練習してたんですが、6年生に対しても、言いたいことはなんでも言ってましたね。6年生も『アイツ、スゲーな』って認(みと)めてました。人を引っぱっていこうみたいな感覚は彼の中になかったと思います。ただ、勝ちたかったんでしょうね」
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