「川崎フットボールアディクト」

【プレビュー】練習試合新潟戦。「Jリーグでも高いレベルだと思う」(大島僚太)という新潟のプレスを外し、シュートチャンスを増やしたい

 

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沖縄合宿の最終日は、2人が先行して合宿から離脱。別メニューの選手が4人に上り、大島僚太がU22の日本代表に招集されていた。その時の事を考えれば、20日の練習は離脱者のほとんどが復帰。別メニューの選手は一人だけになっており、ほぼ正常化した中での練習となった。

チームの現状について風間監督は19日に行われたプレスカンファレンスにて「けが人もほぼ居ないし、選手の意識が非常に高いですしいいと思います」と述べ、満足の表情を浮かべている。21日に行われる新潟との練習試合については「いくつか目的はある」と述べ、選手個々で違う理解度やコンディションについて確認したいとのこと。ただ、そうしたばらつきがある中で「全体の目のスピードがどのくらい合っているのかを90分通して見てみたい」との表現でチームの完成度を確認したいとも述べていた。

チームの完成度として上げられるものとして

1)前線の4枚の連動性
2)両サイドバックの攻撃参加
3)それによる攻撃の厚み
4)守備陣系の作り方
5)ミスをどれだけ低減できているのか

といった項目が思い浮かぶが、ここに選手個々の出来不出来が加わってくる。サポーターのみなさんは、チェック項目としてまずはこれらの点を思い浮かべて試合を見ていただければと思う。
そんなフロンターレが対戦する新潟は現在静岡のJ-STEPにて合宿中。チームを率いる柳下正明監督によるとこの試合の意味について「今週まではフィジカルをかけたトレーニングをと考えていますので、その疲れが残っている中でどれだけやれるのかというのを見たいと思っています」と話している。

戦術面についての言及がなかったため、その点について尋ねると「結局、ここ数年やってくれている選手がかなり残ってくれているので、そんなにコンビネーションはずれないだろうし、やろうとしているサッカーもある程度選手たちが理解できている」ということもあり、そこは見るべきポイントではないと話す。そもそも現在進行中のキャンプが「細かな戦術というよりは、一人ひとりのコンディションを高め、シーズンを乗り切れる体づくり」を中心的な課題となっており、つまり繰り返しになるが、この試合は戦術面というよりは、肉体的な疲労が残る中「90分を通してやろうとすることが、何分できるのか。今までは前半を抑えて後半から行く、という形を取っていましたが、そうではなくてスタートから行く」ことになるのだと話していた。

90分の試合をどう進めるのかペース配分は考えず、立ち上がりからハイプレスでフロンターレに襲いかかる展開が見込まれており、ボールをいかに失わずに相手ゴールに向かうのかというサッカーを作ってきたフロンターレにとっては非常にいいシミュレーションになりそう。

なおそうした戦いが見込まれる新潟について大島僚太に話を向けた所「新潟のプレスはJリーグでも高いレベルだと思う」と簡単な相手ではないとの認識を示し、その上で「(ペース配分を考えずに)最初からくるというのは逆に言うと今の自分達の力というのが確認できると思うので、今後の開幕に向けてという意味ではいいのかなと思います」と話していた。その上で「ビルドアップの時は前線と後ろと中盤で間延びしないように良い距離感を保って、それで足元になりすぎないようにというのは心がけてやりたいと思います」と述べている。

その大島はFWとの連携について「FWの選手たちの動きを見逃さないように。心がけてやりたいと思います」と述べていたが、そのパスを貰う側の杉本健勇はチームのタスクとして攻守の切り替えについて述べた後、個人の目標として「自分はやっぱ、ゴールに直結するプレーをしたいですね」と話しつつ「こっちがボールをもったときに 相手が引いてくるので、そこをどう崩すのか。しっかりそれを明日見せて、ゴールをたくさん取れるようにしたいですね」と述べていた。

ちなみに健勇の加入により、恩恵を受ける選手の一人として上げられるのがGKの西部洋平だ。前線からプレスを受けた際、それから逃げられるという意味で「健勇とかデカイ選手、あとは悠が出る事があればそこを見て蹴っていくのも打開策だとは思う」と述べ小林悠だけだった昨季に比べターゲットが複数できたことのメリットを口にしていた。なお、健勇は合宿でもロングボールの競り合いでほとんど勝てていたとのことで「自信があるみたいだから、名古屋が相手でも蹴りやすかったです。厳しい時には流れを気にせずに(健勇へのロングキックに)逃げるのもありだと思います」と話していた。

ということで、明日の新潟との練習試合については、ペース配分を無視した新潟の序盤からのハイプレスをいかにしてかいくぐるのか。その上で、持ち味として作ってきた前線の4枚の流動性や、2列目以降の選手たちの攻撃参加などに注目してほしいと思う。

またこの原稿では詳しく言及していないが、角田誠と谷口彰悟の連携による守備についても、局面局面でどのように守るのか、見てみたいと思う。

メインスタンドはまだ未完成だが、等々力がどのように生まれ変わっているのか。そこも楽しみだ。

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