「川崎フットボールアディクト」

【コメント】大久保嘉人が新潟戦での三好康児への交代を振り返りつつ、日本人選手のメンタルについて語る

miyoshi

三好康児がデビューした新潟戦でのこと。ベンチに退くのは大久保嘉人だった。
大久保は当初、歩いてタッチラインを目指していた。ところが交代選手を視野に入れた途端にダッシュを始め、そして三好と入れ替わった。

あのダッシュにはどんな意味があったのか。そしてどんな言葉を掛けたのか、本人に聞いてみた。

少々極端な例にも聞こえるかもしれないが、ヒール役になりながらもプロサッカー選手として大成してきた大久保嘉人のサッカー観が良く分かる話だった。

三好康児への彼なりのエールが、次第に日本人サッカー選手論に脱線したが、結果的にはこれからプロを志す若い選手に対するメッセージだった。

冒頭で念のため書いておくが、彼は言葉を整理するうちに「イエローをもらうのもどうかとは思うけど」という言葉で「イエロカード」にまつわる極端な話を自ら否定している。つまり彼は「イエロカード」というわかりやすいシンボルを用いて「強気のことをやって欲しかった」という事を言いたかったのだ。念のため、解説しておく。

後輩思いの偉大なストライカーが、彼の経験を元に三好康児に送った不器用ながら強烈なエールを読んでいただければと思う。

――少し古い話になりますが、新潟戦で三好康児と交代するときに、ダッシュしていましたがあれはどんな意味があったのでしょうか?
「早く代わってやろうと。ここで(試合が)終わったらかわいそうだし、デビュー戦だし、ちょっとでも長くプレーしてもらいたかったからね」

――優しいですね。
「でもあいつ、何も残せなかった。『お前、何か残せよ』って。『記憶に何か残せよ』って言った。でも何も残せなかった」

――短かった?
「いや、短くてもイエローカードくらいはもらえた」

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