「川崎フットボールアディクト」

【J1 1st. 第6節 仙台vs川崎 レポート】ボールを握り、何度でもやり直す粘り強さで殴り合いを制する。苦手のアウェイ仙台で貴重な勝ち点3を手にした(2350文字)

J1 1st. 第6節 仙台vs川崎
4月18日(土)(14:04KICKOFF/ユアスタ/13,644人)
仙台 2-3 川崎

苦手のアウェイ仙台戦で1ゴール2アシスト。J1昇格後、敵地仙台でのリーグ戦初勝利は大久保嘉人の活躍によって達成された。間違いなくチームを勝利に導いた立役者だが全得点に絡んだことを訪ねても「珍しいですね(笑)」と言葉は短かめ。引き締まった表情の大久保が饒舌になったのは、課題について尋ねた時だった。大久保が言及したのは、前半の内容の悪さについて。もちろん勝てたこと自体には満足した様子だが、もっといい内容を求めている大久保のストイックさが見て取れた試合後だった。実際のところ、前半のフロンターレは、堅守の仙台に大いに苦しめられていた。

立ち上がりからの5分間。仙台は前線から積極的にフロンターレボールを追いかけまわした。それに対し、フロンターレはセーフティーに試合を進め、難しければシンプルにクリア。試合が落ち着くと、次第に仙台は守備ブロックを固め、無理せずに守りぬくのだという姿勢を見せ始める。仙台のその堅牢なブロックにフロンターレは手こずった。大久保嘉人は前半について「前に人数が足りてない。後ろは余るんだけど」と説明する。仙台はウィルソンを起点とした強烈なカウンターを持っており、それをケアする必要性があった。そう考えると「前に人數が足りてない」ことの説明は付く。

手薄な前戦に加え、ピッチコンディションもフロンターレを苦しめた。長い状態で維持され、水が撒かれなかった芝生が試合を難しくする。後半63分にピッチに立ち、山形戦での負傷から復帰した小林悠が振り返る。

「(ユアスタの芝は)やりにくいです。すごくカサカサで、深くて、強く蹴らないとボール走らないですし」

ユアスタの記者控室には、通常は散水の時間が掲出されており、カメラマンが機材を濡らさないよう注意喚起がなされている。ところがこの日はその貼り紙がなかった。パスを走らせるフロンターレがプレーしにくいよう、仙台もあの手この手を尽くしていた。

(残り 1491文字/全文: 2345文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ