「川崎フットボールアディクト」

【レポート】J1 1st. 第2節 川崎vs湘南 誤審で動いた試合を追いつける勝負強さ


■誤審で動く試合
試合の流れを変えてしまったのは、明らかな誤審だった。前半20分の場面。ボールの落下点に入り、これをキャッチしようとするチョン・ソンリョンに対し、キリノが過剰な力で不当に干渉した。

このプレーについて、キリノにファールをする意思は全く無かったとする。彼はただ、空中に浮いていたボールにチャレンジしようとしていただけだったとする。仮にそうであったとしても、キリノはボールに全くさわれず、ソンリョンの体に頭から突っ込んだだけだった。キリノに体ごとぶつけられたソンリョンは倒れこむほどの衝撃を受けてしまう。この得点の公式記録はオウンゴールで、それはあのプレーがソンリョンに対する不当な干渉で、ファールだと判断されるべきプレーだったということを示している。

もちろんこのゴールには伏線がある。主審の高山啓義さんは、1対1の競り合いを注意深く判別し、プレーヤーの相手ボールへのチャレンジが正当なものかどうか。つまりノーマルフットボールコンタクトかどうかを的確に判断しようとしていた。この姿勢が局面での厳しさをもたらし、試合に躍動感を与えていたと思う。それはそれでいいのだが、局面での厳しさを、明らかに捕球動作に入っていたGKへの過剰なチャレンジにも適用したのは間違いだった。

あのゴールが後日遡ってノーゴールになることは100%ありえず、後日、誤審として認められることもないだろう。だからといって高山主審を批判したいわけではない。人が吹くのだから誤審は起きる。このカードで言えば、まさに昨季。湘南のファインゴールがノーゴールに判定されたということもあった。審判の判定は、長い目で見れば平等に間違えられるものだから、それはいい。

この判定を踏まえ、審判部にお願いしたいことについてはサッカーダイジェストのWeb版にコラムを書いた(リンク切れの場合こちらへ)のでそちらを参照してもらうとして、残念なのは、1対1になったあとの時間帯でミスが頻発してしまったということ。例えば湘南の逆転ゴールとなった38分の場面。森谷賢太郎自らが「2失点は自分のせいだと思ってるので、それは責任を感じてます。チームに迷惑を掛けたなと思ってます」と振り返るシーンの一つだ。

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