「川崎フットボールアディクト」

【コラム】涙ではなく、サポーターに報いるプレーで(奈良竜樹)

■サポーターの気持ちに報いたい
先日の磐田戦の試合前のこと。奈良竜樹に向けたビッグフラッグが掲出された。松葉杖姿でその横断幕とサポーターからの声援を聞いた奈良の目は少しだけ赤くなっているように見えた。奈良はあの横断幕を見て何を感じていたのか。その時の心境を改めて聞いた。

--先日掲出された横断幕”奈良竜樹! 俺たちと最高峰の舞台へ共に行こう!!!”についてですが、あれを見てどんなことを感じたか教えてもらえないでしょうか。

月並みな「感動しました」だとか「もっとリハビリ頑張らないと」というような言葉を想像していたが、奈良の答えは違うものだった。

「そうですね、まあ…。もっともっと、ぼくが予想していた辛いリハビリよりもさらに…。リハビリというか、ぼくが思ってた復帰した時の姿よりも、それじゃ全然あのサポーターのメッセージだったりに応えるには足りないなと思って…」

と話すと、しばし間が空く。「足りない」という奈良の言葉が心に引っかかり、待ちきれずに質問を被せる。

--「足りない」というのは?

「いやー、まあ。ぼくが思い描いてた、このくらいのリハビリのキツさでとか。これくらい大きくなって戻るとか。自分が思ってたその姿だったらサポーターに報いることはできないなと思いましたし、そのくらいぼくにとって大きな出来事でした」

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