「川崎フットボールアディクト」

【コラム】【いしかわコラム】vol.5 大島僚太、笑顔の行方

「キャプテン翼」をご存知でしょうか。

Jリーガーのみならず、世界中のサッカー選手にも影響を与えたサッカー漫画としてあまりに有名ですが、実は今も連載は続いています。

現在のシリーズは「キャプテン翼 ライジングサン」。キャプテン翼の世界ではスペインのマドリッド五輪が開催中で、翼くんはU-23日本代表の一員として金メダルに向けた戦いを繰り広げています。

一方、現実世界はというと、U-23日本代表はグループリーグ突破ならず敗退。リオ五輪での戦いを終えて、8月半ばには大島僚太と原川力もクラブに戻ってきました。

この大会中、一躍注目を浴びたのが大島僚太でしょう。

中盤でボールを持つと、その正確な技術で日本の攻撃陣をけん引。チームが生んだ得点の多くを演出し、スウェーデン戦でも見事な局面突破から決勝ゴールをお膳立て。このプレーぶりを日本代表・ハリルホジッチ監督が高く評価し、アジア最終予選のメンバーに選出されました。

そんな大島僚太が今年からフロンターレでの背番号10番を背負っているのは、みなさんもご存知の通りです。実はサッカーダイジェストの背番号企画でロングインタビューした際に発覚したのですが、大島僚太の理想の選手というのは、キャプテン翼の主人公・大空翼だそうです。

彼は「これは、どこにも言ってないですけど・・・・」と前置きしつつ、笑顔でこう明かしてくれました。

「僕の理想はキャプテン翼の翼くんなんです。キャプテン翼がものすごく好きなんですよ。自分は『いろんな選手の良いところを盗みたい』とよく言っているんですけど、それは翼くんの影響です。相手の技を盗んでしまう翼くんの特技はすごいなと思っていて。だから、好きな番号は10番なんです」

彼は常々「うまくなりたい」と言っています。

例えば、今年1月の五輪でのアジア最終予選を終えて日本に戻ってきたときも、6ヶ月後の本大会に向けた課題について、そう口にしています。

「極論をいえば、もっともっとうまくならないといけないです。ピッチ状態の悪さはありましたけど、それでも自分の技術を出さないといけない。あとは守備のところです。相手に寄せるタイミングやルーズボールのところ。手倉森監督のサッカーをやっていくには、もっと球際であったり、攻守の切り替え、ポジショニングを追求していかないといけません」

守備や攻撃のどこかの部分を伸ばしていくという話ではなく、シンプルに「うまくなりたい」というわけです。それからの半年間で、得点に絡む意識が強くなっただけではなく、指摘されていた守備意識や球際の強さも驚くほど向上させています。

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