「川崎フットボールアディクト」

【中西哲生の解説】「長谷川竜也、三好康児。ともに非常にいいプレーが出来ていた」前編:J1 2nd. 第17節 川崎vsG大阪

先日行われたG大阪戦について、川崎フロンターレのクラブ特命大使として活動する中西哲生さんに解説をお願いしました。試合を分けたポイントや、収穫について語っていただきました。
2回に分けて掲載します。

■才能の片鱗を見せた長谷川竜也
--前後半で内容の違う試合になってしまいましたが、どう試合をご覧になられましたか?
「まず、小林悠と大島僚太が居ないということで、難しいゲームになるということは試合前から感じてました。ただ、フロンターレは立ち上がりから運動量があり、守備で激しさもあった。前線の良い守備から良い攻撃が出来ていたと思います。その中でもフレッシュだった二人、長谷川竜也と三好康児がいいプレーを見せてくれました。
またフロンターレのここ最近のゲームの中で、さらに良くなるための一つの要素がドリブルだと考えていたので、そこが見られたのも良かった。もちろんドリブルも色々ありますが、特に必要なのが目の前の相手を剥がすドリブルで、長谷川と三好はそのドリブルができる選手です。一人相手を剥がせば、剥がされた以外の相手の選手は厳しい対応を迫られる。また、それをするために重要なこと、つまりボールを受けて前を向くこと、それを二人ともしっかり出来ていました」

--まさに長谷川は、試合後に今年学んだことの一つとして前を向かないと意味がない、ということを言ってました。それまではボールを失ってはいけない、ということを過度に考えすぎていて、消極的なプレーになっていたようです。G大阪戦では前を向くことを意識していたみたいで、そこはおっしゃる通り、彼の良さとして出せていたと思います
「彼が持っているドリブルの良さをどうフロンターレで生かすのか、なかなか上手く表現出来ませんでしたが、今回はそれが上手く表現出来た試合でした」

--長谷川はディフェンス面でも良かったのではないですか?
「以前はプレスに行く時に、相手に寄せすぎていました。少し早く減速して、もう少し距離を取る必要がありました。あまり寄せすぎると、相手に簡単に剥がされてしまう。そういう意味ではG大阪戦ではプレスを掛ける時に寄せすぎていなかった。つまり、簡単に剥がされないような距離感に寄せられていたのです」

--長谷川は、スピードのところも、緩急を付ける必要性についても話していました。
「要するに上手く減速するということです。キュッという瞬間的な速さを生かしたい。つまり彼の良さを出すために、自分のスピードをどこで落とすのか考えるべき、ということです」

--それを試合の中でうまく出せたということでしょうか。
「公式戦の大事な試合で出せた、というのは大きいですね。あのタイプの選手は今のフロンターレには必要です」

--今年の長谷川は、肉離れを3回ほど経験していて、彼自身がものすごく残念がっていたのですが、それがここに来てあのパフォーマンスが出せた。これはチャンピオンシップ、天皇杯に向けてプラスの要素になりそうですね。
「彼もそうだし、三好康児も元々ユースの時はG大阪戦のようなプレーが出来ていましたが、プロではユースの時のようなふてぶてしさはなかった。ただ、このG大阪戦では自信を持ってやれていました。それはU19の影響があるのかもしれません」

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