「川崎フットボールアディクト」

【コラム】数字で振り返るACL広州恒大戦

古い話で恐縮ですが、AFCの公式ページにて今季からACLの試合に関連してOPTAデータが公開されるようになったようです。

そこで先日行われた広州恒大戦のデータを解説してみます。

広州恒大対川崎

こちらのデータを見てみると、フロンターレがパスサッカーを主体としたチームであることが如実にわかる結果となっています。

■ボール保持率
POSSESSION (%)(ボール保持率)は、広州恒大が29%なのに対し、フロンターレは71%と圧倒。後半は一方的な試合展開だっただけに納得の数字です。

DUELS WONというのは1対1の勝負ということだと思いますが、こちらは広州恒大の52.3%に対して、フロンターレは47.7%と劣勢です。

これがAERIAL DUELS WON、つまり空中戦になると広州恒大が68.2%と圧倒。フロンターレの勝率は31.8%と倍以上の差を付けられてしまっています。

その一方でパス数ではフロンターレが広州恒大を文字通り圧倒しています。

■パス本数
TOTAL PASSESを見ると、広州恒大のパス総本数が291本なのに対し、フロンターレは726本。

% OF PASSES LONGで示されるのは、総パススにおけるロングボールの割合ということになりますが、広州恒大が19.2%なのに対し、フロンターレはわずか5.2%。

これを総パス数と掛け合わせると、広州恒大が56本のロングパスを使ったのに対し、パス総本数では圧倒的多数のフロンターレのロングパスはわずかに38本しかないということになります。

PASSING ACCURACY(パスの精度、成功本数)については広州恒大が72.2%なのに対し、フロンターレは87.9%。

さらにPASSING ACCURACY OPP.HALF(敵陣における成功率)で数値は明らかな差を見せます。

敵陣でも83.5%の成功率を維持したフロンターレに対し、広州恒大は10%近く数値を下げて、62.3%しか成功できておらず、精度の低さが伺えます。

なお、クロス数は広州恒大11に対しフロンターレ17となってますが、成功率は広州恒大が27.3%なのに対し、フロンターレが5.9%しかありません。

クロスを3本成功させた広州恒大に対し、フロンターレは1本だったことがわかります。空中戦の勝率からもこの数字は予想されるもので、ゴール前に闇雲にクロスを入れても跳ね返されるということを示した数字だと言えそうです。

前半のうちに先制した広州恒大が、後半ペースを落としたという見方もできる試合でしたが、それにしても両チームの特徴が出たデータだと思います。

(取材・構成/江藤高志)

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