「川崎フットボールアディクト」

【#オフログ】中村憲剛と函館合宿の芝と裏方さん

七飯町役場勤務の大竹亮司さん

いつもはチームの車両が出入りするゲートの開閉などを担当している大竹さんが、18日の練習後、中村憲剛にサインをもらっていた。そのわけを尋ねると「実は中1のころから憲剛さんが大好きだったんです」と話し始めた。

七飯町出身の大竹さんは、サッカーを続けるべく高校のときに帯広北高に進学。さらに仙台大学でもサッカーを続け今年から七飯町の役場に就職した社会人1年生。中1のころから中村憲剛が大好きで、その中村選手が所属するフロンターレのキャンプの受け入れを担当できるということでめぐり合わせに驚いたという。

「見てください」と指差す足元は、中村憲剛とおなじミズノのモレリアが。憲剛が好きすぎて、憲剛と同じスパイクを中1のときから履き続けてきたという。

「でも高いので、これを履くのは芝で行う公式戦などの大舞台のときだけでした。練習は安いやつで。でもそれでも40足ぐらいは買ってますね(笑)」

この話を憲剛にしたところ「そうやって真似してくれるだけでもうれしいですね。ぼくも最初は公式戦のときだけ履いてました。学生の時はまだメーカーさんからスパイクを支給してもらうような選手じゃなかったので(笑)」と同じ境遇に笑顔をみせていた。

その大竹さんを始めとする町の職員は時間が取れる方を中心に6〜8名ほどが練習場を訪問。練習中は見物客の誘導と球拾いといった雑用をこなし、練習が終わると芝のグラウンドのメンテナンスを行ってきた。


七飯町の芝のグラウンドは芸術品のように手入れされており、見事なまでの状態を維持している。その天然芝は、練習が終わるころには掘り返され、芝のかけらが散らばる状態になる。七飯町の職員の皆さんは、翌日の練習に備え芝のかけら拾い集めて片付け、芝が無くなった穴に種入の砂をまくという作業を毎日続けている。この作業は、6人の職員で手分けして作業しても2時間ほどかかるという。

そうやって整えられた環境でプレーできているということについて憲剛は「いい環境でサッカーをさせてもらってね。本当に感謝したいと思います」と話していた。

ちなみに大竹さんは、日中は練習場を訪れ練習後は芝の手入れにつきっきり。ということで溜まりに溜まった事務処理を行うため、19日は朝5時から起きて書類を整理したとのこと。

あまりの激務に同情したのだが、サッカーが好きで今も子どもたちを教えているくらいの愛好家で、かつ大好きな選手が中村憲剛だということで、フロンターレが合宿を行う1週間くらは問題ないです、と大竹さんは笑顔だった。

(取材・文・写真/江藤高志)

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