「川崎フットボールアディクト」

【コラム】【浦和視点で見たフロンターレ】vol.5 アジアNo.1チームが見せた脆さ

■川崎の強さの基礎
AFCチャンピオンズリーグ(ACL)の日本勢対決は、最終的に浦和レッズの大逆転勝利となった。とはいえ、普段は浦和をメインで見ている者にとっては、特に車屋紳太郎が退場処分を受けるまでの同数での状況に、「川崎は強いな」という思いを新たにした試合でもあった。

普段から川崎のトレーニングを見ているわけでないため、このACL前日練習、それも冒頭15分を2回見ただけで多くを語ることはできないが、そのメニューには面白さを感じた。川崎は8対4くらいの人数バランスでパス回しのトレーニングをしているが、多い方の選手(8人側)が周囲を取り囲むだけではなく、中のエリア(4人の間)にも人が入ってボールを動かす。そして、少ない側の選手がボールに触ってもすぐに交代ではなく、多い側のチームがすぐに奪い返せば続行。少ない側は数本つなぐかドリブルでエリアの外に押し出して初めて交代になる。

聞くと、これは毎日やっているトレーニングということで、狭いエリアでも相手の間でボールを受けることと、奪われた瞬間にプレスをかけて奪い返すこと。逆に言えば、少数でもそのファーストプレスをかわすことの意識付けに見え、それがピッチに反映されているように見える。

一方の浦和が毎日やっているのは、7対2でのワンタッチ限定でのボール回し。中央に多数側(7人側)が入ることはなく、いかに外で速く動かして、チャンスがあれば2人の間を狙う、というもの。これはミハイロ・ペトロヴィッチ前監督が導入したもので、堀孝史監督になっても継続されている。ペトロヴィッチさんの通訳も務めていた杉浦大輔元コーチは、「サンフレッチェ広島時代から大切にしているもの」とした上で「ボールが速く動く中でもギリギリまで判断を変える、守備者は相手のコースを必死で読むという、ある意味では究極のトレーニング」と話していた。

川崎と浦和がそれぞれに行う練習が試合に反映されている部分が見えており、興味深かった。

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