「ゼルビアTimes」郡司聡

【無料公開】J3第12節・藤枝vs町田/藤枝・大石篤人監督、佐藤将也選手、町田・相馬直樹監督コメント(3,112文字)

▪︎明治安田生命J3リーグ第12節・13:00キックオフ
藤枝総合運動公園サッカー場/1,516人
藤枝MYFC 1-1 FC町田ゼルビア
【得点者】藤枝/61分 小川直毅 町田/45分+1分 増田繁人

 

▪︎大石 篤人監督(藤枝)
——試合を振り返って。
「町田という選手の能力もフィジカルベースも高いチームに対して、自分たちのサッカーを信じて戦っていこうということをチームコンセプトに試合に取り組んだ。最近は藤枝の良さやスタイルを貫けていたし、今日も特に前半は激しいプレッシャーと奪ったあとのカウンターから何度かチャンスは作っていたが、相手の189cmの選手のヘディング1本でやられて、点を取られてしまったことはウチの甘さだと思う。なかなか勝てないチームだけど、自分たちのやり方を貫くことで、結果が出なくても走ってボールをつなぐことは浸透してきた。これをもっと勝ち点3につなげるために、精度と密度を濃くしていきたいと思う。どんな選手が出ても変わらないスタイルを貫くということでチームを作っているので、次は三橋が出られないが、違う選手がやってくれると思う。もっと勝ち点3につなげられるように良いチームを作って、藤枝らしいサッカーを貫いていきたい」

——今日はディフェンスラインを高くコンパクトに保てていました。
「前節のYS横浜戦で福王(忠世)がけがをして、最終ラインのところで多くの選手が不安を抱えている状況だったが、主将の奈良林(寛紀)が統率して、新卒の三橋がしっかりと守備をしてくれたことで両サイドバックも高い位置を取れて攻め上がることができたと思う。ただ最終ラインを高く上げて、プレッシャーをかけることはもっとやっていかないと。それを続ければ藤枝のプレスは怖いと相手に印象付けられる。もっとやっていきたい」

——小川選手は初ゴールです。彼に対する評価をお願いします。
「なかなか途中出場で出場機会が巡ってこなかったが、大石(治寿)がけがをしたことで久富と小川という新しい形の2トップができた。小川は足が速いし、ボールを収める力がある。小川がポストで落として一度展開してという形だった。成長してもらいたいし、伸びシロのある選手。守備も攻撃も抱えることで他チームでも活躍できる選手になれる。藤枝で成長しても良し、ほかで成長しても良し。ポテンシャルのある選手ではあるので、もっと成長してほしいと思う」

——退場したあとのシステム変更について。
「三橋が退場になったので、望月(竜次)をCBに落として、守備時には[4-4-1]を構築した。でも後ろが重くなったので、前線を久富(賢)、小川(直毅)、谷尾(隆博)の3トップ気味にしてプレッシャーをかけてくれ、外されたらプレスバックをすればいいから前提としてはプレスをかけてくれ、という話をしていた。フィールドプレーヤーが9人だからといって下がるなと伝えた。前の3人はスプリントの速い選手なので、少しずつ変わっていったかなと思う」

——最後まで走り切れましたし、体力的なベースは上がってきたと言えるのでしょうか?
「僕としてはもっとやってもらいたい(苦笑)。成長段階にあるチームだし、外国籍の監督の本を読んでいても、多くの指揮官が勝ち点3を取るための近道を見ていると思う。藤枝はクラブとしても目指すべきものが統一している。これまではなかなか勝てなかったが、徐々に形にはなってきていると思う。このグラウンドでどれだけ躍動できるかがポイント。もっと走れるし、もっと驚くプレーはできると持っている。まだまだ彼らの伸びシロはあると思っている」

 

▪︎DF 7 佐藤 将也(藤枝)
「(ゲームプランについて)しっかりとつないで、相手が出たところのスペースを利用していればどこかが空いてくると話していた。シンプルにサッカーをできていたし、シュートにまでいけていたので、自分たちのサッカーができていたと思う。(CBの背後をスピードで突く場面もありました。あれは狙いですか?)ウチのFWは足が速いので、上で行くよりは下で勝負したほうがいいという狙いはあった。攻撃的な二人が高い位置まで裏を突くことはできたし、うまく(相手の背後を)利用できたと思う。(数的不利になったあとの時間帯はチームとしてどんな意思統一をしていましたか?)(警告2枚で退場になったことを)たくや(三橋拓也)も責任を感じていた。それを取り返そうという気持ちもあったし、同点に追い付けたことは良かった。最近は自分たちのサッカーをできている。ゴールを取れれば勢いに乗れるし、あとは勝っていくだけだと思う。いまは下位でも、ブレることなく自分たちのサッカーをやり続ければもっと勝ち点を取れる。(盛岡から)勝って帰ってきたいと思う」

 

▪相馬 直樹監督(町田)
——試合を振り返って。
「遠い町田からたくさんの方々に来ていただいてありがとうございます。第11節は試合がなかったので、しっかりとした準備をして勝利をプレゼントしたかったが、非常にふがいない試合をしてドローという結果に終わって非常に申し訳なく思っている。前半から非常に自信のないプレーが続き、藤枝さんの良いようにゲームを進められてしまった。その中でもリスタートからゴールを決めて後半に折り返せたことは良かった。しかし、後半は数的優位に立ったにもかかわらず、数的優位に立つと得てして起こりやすいことだが、前半からも、人任せになってしまうプレーが多かった。前半から競るボールを二人でお見合いする。ボールを持っても、すぐ近くに見えた人にボールを渡してしまうなど、これは良くない状態かなと思っている。これをどうするか。何かドラスティックなことが必要かなと思っているし、次のゲームに向けて1週間しかないが、なんとか立て直して戦える状態を作らないといけないなといまは思っている。来ていただいたサポーターの方には申し訳なく思っているし、結果もそうだが、今日は腰の引けたチームをお見せしてしまったことをお詫びしたいと思う」

——先発を決めるにあたって、さまざまな可能性がある中、土岐田選手を右サイドバック、重松選手、中村選手を先発で起用したその意図を教えてください。
「前の試合(福島戦)やこのインターバル、そして2つの練習試合をこなしてきたこと、コンディションも含めて判断をした。新戦力の中村祐也はけがで長く離脱をしていて、藤枝戦に向けては戦術的に確認する時間もあったので、先発で起用する形になった。相手や戦術的なことを踏まえて、どれだけ自分たちが攻撃的にサッカーをできるか。まずはボールを保持しながら前を向いてしかけることができるか、相手の急所に入っていけるか、そういった部分で決めた。土岐田に関しては経験の部分をプラスしてくれることを期待して起用した」

——非常にふがいない試合をしたというお話でしたが、その原因は内なる部分なのでしょうか? 相手の戦い方が原因なのでしょうか?
「単純にわれわれ自身の問題だと思っている」

——ハーフタイムにはどんな指示を出したのですか?
「ハーフタイムの指示は特に出していない。彼ら自身で考えてくれと話した。前半のこのままの内容では、その1点差が負けになるかドローに終わるだろう。自分たちで考えてくれと話した。相手より走っていなかったし、相手のほうがボールに顔を出していた。相手のディフェンスラインの話ではなく、自分たちがボールを触ることが怖い。相手のほうが単純に走る量で上回っていたから難しかった。ただそういう状況を招いたのは自分の責任でもあるので、1週間しか準備期間はないが頑張りたいと思う」

 

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ