「ゼルビアTimes」郡司聡

【無料公開】J3第13節・町田vs山口/町田・相馬直樹監督、鈴木崇文選手、山口・上野展裕監督、庄司悦大選手コメント(3,390文字)

▪︎明治安田生命J3リーグ第13節16:00キックオフ
町田市立陸上競技場/3,132人
FC町田ゼルビア 1-0 レノファ山口
【得点者】町田/47分 鈴木崇文

 

▪︎相馬 直樹監督(町田)
——試合の総括について。
「今日は当初、雨が降るような予報でしたが、非常に晴れてすごく良い天気になって、たくさんの方に来ていただけた。本当に感謝しています。はじめにスタジアムに入るところから(サポーターの入り待ち応援があり)とても良い雰囲気を作っていただいて、最初の円陣のところを含めてわれわれにスタートから力を与えていただけたなと思う。そのおかげもあって、選手たちが最後まで戦い抜くことができた。今日は(首位を)独走している山口さんを迎えたが、選手たちは臆することなく、そして耐えていきながら勝利をもぎ取ってくれた。本当にそのハードワークと勇気、そういったものすべてに感謝したいなと思う。また、それらの最後の第一歩を踏み出させてくれたサポーターの皆さんに本当に感謝したいと思っている。試合としては先制したが、やはり最後のところで少し相手が形を変え、こちらが食い付かされるような形になってしまい、相手の速い攻撃を何度か受ける形になった。しかし粘り強く最終ラインが対応して、しのぎ切ってくれたと思う。そして、これだけパワーをかけたので、欲を言えば前はもう1点欲しかった。われわれとしてはやはり点を取るというところが今後に向けての課題だと思う。とはいえ、1−0には1−0の価値があると思うし、今日こうして勝ったことをなかなか波に乗れていなかった中、こういうゲームを首位相手に勝ちを取れたことを、われわれの今後の上昇のきっかけにしたいと思う。以上です、ありがとうございました」

——ここまで選手が持っているすべての力を出し切れていない試合が多いというお話をされていましたが、そういう観点で見て、今日の選手たちのパフォーマンスは力を出し切れたと言えますか?
「言えると思う。ただ、まだ出せるとも思っている。とはいえ現時点で、この前のわれわれのゲーム(藤枝戦)を考えれば、はるかに出してくれたと思っているし、現在首位を走っている山口さんを相手に出せたことを褒めたい。選手たちは勇気を持って戦ってくれたと思っている」

——相手が裏を狙ってきたり両サイドが中に入ってきたりしました。そこに対応できていた理由を戦術的な面でお話ください。
「私も平面で見ているから、そこまで機能的にできていたかというのは、正直分かっていないが、山口さんはスイッチを入れるのが非常に上手なチームであると感じていた。当然、そのスイッチを入れられる回数を減らすこと、もう一つは実際に入れられるのを皆無にするということはできないので、入れられたときにどう対応するか、という話を選手たちにはしていた」

——なかなか波に乗れていない中、今日の勝利は大きいという話でしたが、今までなかなかチームとして勝ち点をコンスタントに積み上げられなかった原因と、それからこの試合が今後に向けてどのような影響を及ぼすか、という点で考えをお聞かせください。
「われわれのゲームをたくさん見てくれた方は分かると思うが、勝てないことによって、ちょっとずつ自信を失ってしまっていた。それをこう、やり切れないというか、自分の力を出し切れないという状態が少し続いてしまったということが、波に乗れなかった部分かなと思う。そういった中で当然、勝ち点差が10以上離れている相手との対戦だし、選手たちも自分自身もチャレンジャーになれた。今日は自分たちの心の持ち方で勝ちにつながる、結果も変わるというのは、自信にしなければいけないと思う。どのように自分たちが戦っていかなければいけないかという一つの道標と言いますか、そういうものになるんじゃないかなと思っている」

 

▪︎MF 17 鈴木 崇文(町田)
「(ゴールシーンについて)思い切り振り抜いて、なんとか決められた。(ゆりかごパフォーマンスについて)最初はパフォーマンスを忘れていた。大塚さん(慶輔フィジカルコーチ)に子どもが産まれたので、みんなでやろうという雰囲気だった。(勝因について)みんなで戦えたことが良かった。でもこれをコンスタントにやらないと意味がない。個人としてはもっともっと点を取りたい」

 

▪︎上野 展裕監督(山口)
——いつも以上に前半からロングボールが多かったような印象ですが、それは狙いでしょうか? それとも町田さんに蹴らされたのでしょうか?
「両方あったと思う。CBの裏を狙っていこうという意図もあったし、小塚不在により、彼からの配給をなくしていたことも原因かと思う」

——ここまで第1クールを終えての内容についての振り返りと、山口県内の盛り上がりの状況はいかがでしょうか?
「成績については、どうこうよりも今日負けたことが悔しくて、選手と一緒に悔しがりたい。今日はどうしても勝ちたかった。今日うまくいかなかったことに対して次はどうしようかと考えているところ。地元の盛り上がりは、山口開催の試合はたくさんの方に来ていただいて、エネルギーをもらっている。見に来てくださった方に『今日は来て良かったな』、『また来たいな』と言ってもらえるような、そんな試合を見せたかった。今日は東京在住のみなさんもいらしたでしょうし、山口から来た方々にも、今日は『また来たいな』と思ってもらえるような試合をできたのかなと思うとクエスチョンマークが出てくる。選手たちはよくやってくれているし、もっとできると思う。課題がたくさんあって、まだまだ練習時間が足りない。もっと練習をして積み重ねていきたい。去年からみんな成長はしているが、目指すところはまだ上にあるし、課題はまだまだあるし、やりたい練習もある。もっともっと練習をして、みんなで成長していきたいと思う」

——課題がたくさんあるとおっしゃっていますが、ここまで上位にいる要因は?
「今日は失点した場面で気を抜いたと思う。自分たちのボールではないのに、その気になってしまい、寄せが甘くて、シュートを決められた。読みや予測の部分を変えていきたい。まだやれているとは思っていない。選手もそれは同じだと思う。町田出身の庄司、岸田も悔しい思いをしたと思う。まだ話していないが、選手たちと一緒に悔しがりたいと思う」

——残りの3分の2、首位に居続けるためにはどんなことが必要でしょうか?
「とにかく練習しかないと思う」

——先ほど名前が出た庄司選手と岸田選手のチーム内での役割と、ここまでプレーの評価は?
「岸田も庄司もよくやってくれていると思う。岸田は得点力を一番求めている。今日も惜しい場面があったし、前からプレッシャーをかけてボールを引っ掛けるシーンも作っていた。最後の決定力の部分は高めないといけないし、至近距離でのシュートを決められるようになってほしい。GKに当てた場面もあったが、至近距離でのシュートも決められるようになると、もっとゴールを量産できると思うし、そういう練習もしている。庄司については、ボールを配給して、チームの心臓になってくれている。ただもう少し前のほうで彼のプレーをできれば、もっと相手陣地に押し込めるし、もっと彼の良さが出ると思っている」

 

▪MF 44 庄司 悦大(山口)︎
「(アンカーのポジションについて)町田のときからあのポジションをやりかったけど、山口でいまはできているので得意なポジションだし、自分が生きるポジションだと思っている。アンカーは縦パスを入れることや、攻撃をスムーズに循環させるポジション。周りがやりやすいようにすることは意識している。みんな技術が高いので、どこにパスを出しても打開できる自信はある。シュートを打つ選手がフリーになれたり、そういうところで点を取れているのかなと思う。(今後に向けて)今日はそんなにチームとして良くはなかった。自分たちのやりたいサッカーをやれば勝てると分かっているので、それをできれば良い順位でシーズンを終われると思う。(自分自身で今年テーマに掲げていることについて)ボールを持ったら良いパスを出せる自信はあるし、どこでボールを受けるかを今年のテーマにやっている。ダイレクトでパスをはたく場面が多いので、良い感じで相手をいなしてスペースが空いたところでボールを受けて、良いパスを供給できればいい」

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