「ゼルビアTimes」郡司聡

【蹴中(しゅうなか)コラム】第4回/DF 5 深津 康太『センターラインのラストピース』

週中(しゅうなか・ミッドウィーク)にあたる水曜日もしくは木曜日にワンテーマコラムをお届けする新企画【蹴中(しゅうなか)コラム】。第4回は深津康太選手にフォーカスしたコラムです。

▼嵐の試合の中で

2016年6月13日。激しい風雨が吹き荒れる中、深津康太は実戦復帰のピッチに立っていた。横なぐりの雨と風に、視界は決して良好とは言えない中、大学生チーム(神奈川大学)を相手に、背番号5の声がピッチ上にこだまする。

「もっと前から行こう!」

「ラインを押し上げて!」

「崇文、ナイスプレー!」

前をまともに見ることすら遮られる天候下で、深津の声は終始途切れることがなかった。コーチングの声を張り上げ、その回数を増やすことは、もちろん本人が意図して実行したことだった。

(残り 4348文字/全文: 4672文字)

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