「ゼルビアTimes」郡司聡

【★無料公開】【コラム】トップチーム2種登録・FW青木義孝『解体新書』

▼育成の町田、その象徴として

期待の新戦力・大谷尚輝がチームに合流した9月15日(木)当日、FC町田ゼルビアユース所属FW青木義孝のトップチーム2種登録がクラブから発表された。町田がクラブとしてユース所属選手を2種登録するのは、昨季のDF加倉井拓弥(現・青山学院大学)以来のこと。昨年も町田ユースで10番を背負い、第39回日本クラブユース選手権(U-18)にも出場した逸材は、これによりトップチームでの公式戦出場が可能になった。

前述の加倉井は天皇杯3回戦・アビスパ福岡戦(2○0)で公式戦初先発を果たし、左SBとして一定の存在感を示していた。ユース所属の選手がトップチームの公式戦に初めて出場するというクラブの歴史を変えた大先輩に青木も続けるか、ゼルビアを取り巻く人々の耳目が集まっている。

町田ユースの竹中穣監督と定期的にコミュニケーションを図る中で、青木の2種登録を決めたという丸山竜平強化部長は、「“少年サッカーの街・町田”として、育成は大事にしていますから、彼の今後の可能性を含めて、2種登録という形になりました」とコメント。強化部の視点として、丸山強化部長は「ドリブルやパス、裏へ抜ける動きなど、攻撃面で人とは違うものを持っている」と、彼のストロングポイントをそう評している。

また、今年の青木はユースで主将を任されていることにより、人間的な成長も見られるという。丸山強化部長は言う。

「2種登録に至るまでに彼と話をする中で、本人から次第に決意を感じるようになりました。プロの世界ではメンタリティーが大事になる中で、本人からのコメントにもあるように、『Jリーグで活躍したい』、『試合に出たい』という意欲が出てきました」

発表後の初練習に参加した青木は、「ユースの後輩たちにもトップチームでゴールを決めるシーンを見せたいですし、ファン・サポーターの方々にも、試合に出てゴールを決める姿を見せていきたいです」と、意欲にあふれたコメントを残している。

「そうなってくれればありがたいですし、町田の子どもたちに夢と希望を与える存在になります」と丸山強化部長。「ドリブルや前への推進力、1対1の強さを生かしてゴール前に顔を出すこと」をストロングポイントに有する“十代のアタッカー”は、“少年サッカーの街・町田”を担う逸材としての期待をいま、一心に背負っている。

Text by 郡司 聡(Satoshi GUNJI)
Photo by ©FC町田ゼルビア

【プロフィール】
青木 義孝(あおき・よしたか)
1998年9月2日生まれ、18歳。東京都八王子市出身。174cm/66kg。八王子CBXFC→FC町田ゼルビアジュニアユース→町田ユース在籍中に2種登録(2016年9月17日現在)。

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