「ゼルビアTimes」郡司聡

【★無料公開・2ページ目追加】【マッチレビュー】Fリーグ2017-18第1節・町田vs神戸/新キャプテンの独壇場。ペスカドーラ町田、開幕白星発進!

■DUARIG Fリーグ 2017/2018 第1節・6月10日(土)16:00キックオフ
国立代々木競技場第一体育館/1,898人
ペスカドーラ町田 4-1 デウソン神戸
【得点者】町田/00:53 森岡薫 13:40 日根野谷建 32:26 金山友紀 39:50 森岡薫 神戸/39:53 岡崎チアゴ

▼効果的な加点で神戸を寄せ付けず

森岡薫に始まり、森岡薫に終わった試合だった。

開始53秒、中央から強引なドリブルでボールを運びながら相手DFを引きはがし右足を強振すると、強烈な先制パンチがGK福良一至のニアサイドをブチ抜いた。開始早々のゴールで大きな勇気を得たペスカドーラ町田は、森岡による先制点で開幕戦特有の硬さも取れるなど、次第にチームとしての持ち味を発揮。追加点を取るまでは多くの時間を要したものの、迎えた13分40秒、左サイドから室田祐希がシュート性のグラウンダーのクロスを供給すると、ゴール前で日根野谷建がスライディングでゴールへと流し込み、町田は点差を2点に広げた。

さらに後半の32分26秒、日本代表の原辰介がゴール前中央にボールを運び、目の前のシュートコースが空くと見るや右足を強振。GK福良がはじいたボールを金山友紀が見事に押し込み、チーム3点目を奪ってほぼ勝負を決めた。

そして極め付けは終了間際の39分5秒。デウソン神戸が稲田瑞穂にゴレイロ(GK)のユニフォームを着せる“パワープレー”に出ていた場面で神戸のシュートを守護神ピレス・イゴールがキャッチし、カウンターで森岡に展開すると、森岡が自陣ゴール前から反転しての左足シュートを流し込む。完全に勝負を決するゴールを決めた殊勲者は、喜ぶ様子をまったく見せずにそのままベンチに退いた。

しかし、ラスト5秒、神戸のパワープレーから岡崎チアゴにゴールを許し、失点。開幕完封勝利こそ逃したものの、「得点した時間帯が良かった」(金山)町田が効果的な加点で開幕白星スタートを切った。

今季、自らキャプテン就任を申し出たというエースにしてキャプテンの森岡薫が導いた開幕戦勝利。試合後の会見に出席した新キャプテンの99番は、「昨季は負けている相手にリベンジを果たせた」と話し、安堵の表情を浮かべていた。

Photo&Text by 郡司 聡(Satoshi GUNJI)

■岡山 孝介監督(町田)
ーーまずは試合の総括をお願いいたします。
「良い試合の入りをできて、それを長い時間持続してくれた選手たちに感謝したいと思います。ただ開幕戦も33試合の中の1試合なので、この結果に一喜一憂せずに練習から課題を修正して、来週に向けて頑張って取り組んでいきたいと思います」

ーー滝田学選手の負傷離脱はチームにとって痛手だと思うのですが、希望的な観測で結構なので、どのぐらいで復帰してくるのでしょうか? また彼のいない間をどのように乗り越えていこうと考えていますか?
「全治4カ月なので、それよりも早く戻ってきてくれればうれしいですけど、急いでまた同じ箇所を負傷してしまうのも良くないですし、それ以上長引くことは良くないので、少しでも早く戻ってきてほしいと思っています。(滝田の)代わりに誰かを起用するというよりも、そのときのベストメンバーで行こうと考えています。滝田がいない間、ほかの選手でしのぐということではないですし、彼が帰ってきたらそれで終わりではなく、得た経験を次につなげることです。

また今日は新倉(康明)も良いプレーをしていました。ほかの選手が成長して、滝田が戻ってきたときにポジションを与えないぐらいのパフォーマンスを期待したいですし、それができる選手たちがそろっていると思います。レベルの高い競争をしてほしいですが、しのぐために選手たちがいるわけではなく、そう考えて取り組んでいます」

 

■FP 99 森岡 薫(町田)
ーーまずは試合の総括をお願いいたします。
「勝てて良かったですし、試合の入り、開幕戦が大事だと思っていました。昨季は同じ相手に負けているので、リベンジできたことは良かったと思います。ただいくつか課題も出たので、僕たち選手が練習で課題を消化して、今後のリーグ戦に向けて徐々に向上していきたいと思います」

ーーチームとしては勝ちましたが、個人の出来としてはいかがですか?
「ここで100%のコンディションと言いたいですけど、まだいろいろと課題が残っています。次第にリーグに慣れていくことも大事になると思っています。次第に良いコンディションに持っていきたいです。滝田が抜けた穴は、僕と同じセットなので大きな穴ですが、彼の不在の穴を埋められるように、ディフェンスでも頑張らないといけないと思っています。ディフェンスで貢献したいですし、ディンフェスでサボり癖があるので、それが目立たないようにやっていきたいです」

ーー先ほど課題があるという話をされていましたが、具体的にチームとして、個人としての課題を聞かせてください。
「個人の課題としてはサボらないこと。前に走るスピードは速いのですが、後ろに走るスピードを上げていかないといけません。それを意識していきたいです。チームの課題としては、今日の結果でもそうですが、決めなければいけないところでもっと決めないといけません。決定的なチャンスを生かせないと試合内容も変わってしまいます。誰が決めても良いように練習でも一生懸命やっています。リーグの試合を重ねながら課題をクリアしていきたいと思います」

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