「ゼルビアTimes」郡司聡

【★無料公開】【コラム】DUARIG Fリーグ2017/18 第1節・町田vs神戸/FP 7 金山 友紀『黄色の仲間たちへ。伝えたかったメッセージ』

▼頂点しか見えない

1977年生まれの金山は、今年40歳を迎える。周りはどうしても年齢の色眼鏡で見てしまうが、本人にとっての大台突破は「あまり意識していない」という。意識にあることは「年齢に関係なくやれるかどうかや今日のように大事な場面で仕事をすること。そして年齢を重ねているからこそできること」。試合の機微を知るベテランだからこそ、勝負どころを見極め、この日の3点目を奪うような役割も果たせるし、周囲の力を引き出す術も知っている。

「どうしても若手選手は気持ちが先走ってしまい、普段どおりのプレーができないこともあるので、平常心で戦えるような声がけをする。そんな役割があると思っている」と金山。代々木セントラルでの開幕戦のように、独特な緊張感にあふれたゲームでは特に若手選手は萎縮してしまい、本来の持ち味を発揮できないケースも少なくない。この日も24歳の新倉康明がフィクソに入る時間帯があったことを一つの代表例として、滝田学ら負傷者を抱える町田は、若手選手の力を借りなければならないシチュエーションも出てくる。そのときにこそ、経験値を持った選手たちの真価が問われている。

今季は開幕前にエースの森岡が自らキャプテン就任を申し出たことで、基本的に金山の両腕に腕章が巻かれることはない。一つの重責が取れたことで自分自身のパフォーマンスに集中できる環境が整った。しかし、本人は「町田一筋である立場は変わらない」ため、腕章の有無にかかわらず、過去名古屋オーシャンズでもキャプテンマークを巻いたことがない森岡をサポートする腹積もりでいる。

金山の存在はFリーグとペスカドーラの歴史そのもの。節目の10年を超え、新たな10年へとスタートを切った新シーズンの目標は、昨季あと一歩でたどり着けなかった“あの景色”しかない。

「目標は昨季の上を行くことだけです。まだ先は長いですが、一つひとつ勝っていって、最後にプレーオフで優勝したいです」

Fの頂点へーー。金山友紀・39歳。まだまだ、やり残したことがある。

Photo&Text by 郡司 聡(Satoshi GUNJI)

【プロフィール】
金山 友紀(かなやま・ゆうき)
1977年9月2日生まれ、39歳。島根県出身。ALA。163cm/61kg。前所属:CASCAVEL TOKYO/元フットサル日本代表

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