「ゼルビアTimes」郡司聡

【★無料公開】J2第23節・町田vs水戸/町田・相馬直樹監督、水戸・西ケ谷隆之監督、細川淳矢選手コメント(4,301文字)

■明治安田生命J2リーグ第23節・7月16日(日)18:00キックオフ
町田市立陸上競技場/5,022人
FC町田ゼルビア 2-0 水戸ホーリーホック
【得点者】町田/76分 中島裕希(PK)、84分 戸高弘貴

■相馬 直樹監督(町田)
ーーまずは試合の総括をお願いいたします。
「3連休の中日の試合にたくさんのサポーターの方々に集まっていただきました。暑い中での試合でしたが、サポーターの方々の後押し、声援、そして期待が選手たちを最後まで戦わせてくれましたし、走らせてくれました。ホームで今季初めて連勝できたことも含めて良かったなと思っています。ありがとうございました。

ここ最近の試合の中でも、暑い環境下での試合でしたが、そうした環境下でも選手たちは前から行く姿勢を表現してくれたなと思っています。その中で前半はボールを大事にできない場面もあったため、そのバランスを改善しないと点を取ることは難しいと思っていました。とはいえ、前への圧力を失うことはわれわれらしくないですし、その前への圧力がある中で、もう少しボールを大事にする、意図的に攻める形を後半は意識してもらうように働きかけた上で選手たちをピッチへ送り出しました。後半は少し風が吹いて涼しくなった中で、ボールを握るべき場面で握る展開をよく作ってくれました。ただ公式記録を見る限り、シュートを打たせてもらっていませんでしたから、非常にタイトな試合になった中で少ないチャンスを選手たちはよく決めてくれたと思います。

得点シーンではしかける姿勢がPKを生み、2点目も深い位置まで入ったことが得点や勝利につながったと思っています。これからも暑い気象条件下でのゲームが続いていく中でもこれを続けていきたいです。試合が終わった瞬間に倒れ込む選手がいましたし、それぐらい頑張ってくれた選手たちに感謝したいです。その頑張りが勝利につながったと思います。この暑さの中、試合は続いていきますが、前への圧力というわれわれらしさを失わずに戦っていきたいと思います」

ーー前の試合に続いて、こう着状態の前半を終えて、後半に得点をして勝ち切るようなパターンですが、比較的、町田は先行逃げ切り型のチームである中、こういった勝ち方ができていることをどう思っていらっしゃいますか?
「そう言われていま、気付いたぐらいです。相手のタイプも影響していると思います。水戸さんもタイトに粘り強い戦いをしているチームですから、そんな簡単にスコアは動かないだろうと思っていました。仮に前半にスコアが入ると、大差がつくようなゲームになるのかなとも思っていましたが、お互いに前半のシュート数も少なく、我慢比べのゲームだったのかなと思います。お互いに相手のストロングポイントを警戒していた中で時間が推移していった展開なのかなと思っています。

後半になっても圧力をかけられていた試合だったと思いますし、それができても必ずスコアに結び付くわけではないのですが、攻撃でも守備でもボールを前に運ぶことをやり続け、相手が嫌がるところまで持ち込んでいることがゴールにつながっているのかなと思っています」

ーーいまの話の延長になりますが、後半に相手の嫌がるところに持ち込む、あるいはしかけることができている選手たちの前向きなメンタリティーが生まれている理由をどうお感じになられていますか?
「それは選手たちに聞いてください(笑)。ただ監督としてはうれしい限りです。ボックスを目の前にしてボールを下げるのではなく、しかけることを4回、5回失敗したとしても、周りがフォローする。もしくはトライする中で成功する形が出てくる。そういう仕掛ける姿勢がないと、なかなかゴールは生まれませんので、選手たちがそういうマインドになっていることはうれしい限りです。勝利がそういう姿勢を生んでいる相乗効果もあると思いますし、ホームでも良い雰囲気がここ2試合の中で出ているのかなと感じています」

ーー前田(大然)選手のスピードは脅威だったと思いますが、何か対策は立てられましたか?
「特別なことはしていません。選手自身が前回対戦では彼にかき回されて、実際に点も取られたゲームでしたから、最大限のケアをしていたと思います。ただ前田選手をケアし過ぎると、ほかの選手が空いてくるので、彼のスピードに対して勇気を持てるか。その勇気を持つためには周りのカバーが必要だと話していました。そういったことをチーム全体としてやってくれたのかなと思っています」

 

■西ケ谷 隆之監督(水戸)
ーーまずは試合の総括をお願いいたします。
「ゲーム全体を通してはお互いに徹底させるところを徹底させていたと思います。そこのパワーで町田さんのほうが上回ったかなと思います。夏場のゲームで、ああいうPKなどの些細なプレーで流れが変わってしまいます。攻撃ではもっと大胆にやらないといけないですし、守備では繊細にやらないといけないのかなと思います。

ここから一つチームとして上に上がっていくために、失点した後、追いかけるときにギアを上げるメンタリティーを出していかないといけません。いつも言っていますが、われわれは這い上がっていくチームなので、気持ちの面で守りに入ったり、テンションを落とすことのないようにシーズンを通してやっていくことがチームとしてもう一つ上に行くための課題だと思います。その部分を強調してやっていきたいと思っています」

ーー船谷(圭祐)選手を投入したあとに3バックへ変更しましたが、その意図を聞かせてください。
「ゴールを奪うためにシステム上のミスマッチを作ろうという意図がありました。またここ最近のCBのパフォーマンスのパワーで次第に押されつつあったので、より厚みを作ろうという狙いもありました。またセカンドボールを拾うためのパワーを出そうとシステムを変えました」

ーーそのあとの2枚代えの狙いは?
「同点、逆転に持ち込むための交代です。さらにチームが上に行くために、勝ち点1、勝ち点3を取りに行く姿勢を出したかったです。ウチとしては0-1のスコアから追い付くか、逆転しなければなりませんが、あの展開から0-2にされてしまってはいけません。選手たちは勝ちたい気持ちをすごく表現してくれている中で、もう一つチームが上の段階に行くためには、チームとしての判断や戦い方を上げていかなければなりません。ゲームコントロールや落ち着きを出していくことが、チームとしてもう一段階上に行くための課題かなと思っています」

ーー前半はゲームを支配していたと思いますが、後半はセカンドボールを拾えなくなり、フリーでシュートを打たれる場面があったと思います。そうなった原因は何でしょうか?
「単純に出足や予測、判断の部分で出遅れたと思います。それを修正しないといけませんが、町田さんのペースになったときにポジショニングを含めて、修正できませんでした。修正するためのトライはしましたが、失点をしたことでバランスを崩さざるを得なかったです。戦術的な部分とコンディション、その両方に原因があると思います」

ーー2枚代えは勝負に出た、という解釈でよろしいでしょうか?
「カードを切ったのは攻撃的な選手ですが、バランスは取らなければなりません。そういうメッセージを出していますが、僕の采配を含めてではありますが、もう一段階上に行くためには選手たち自身でも戦わないといけないと思います。0-1や0-2になった展開の中で1点、2点が取れるようになるとチームが一つ上の段階にいけると思います。われわれは粘り強さを出さないといけないチームなので、0-2とされる展開を良しとはしていません。常にリスクマネジメントをやりながら、トライできることをトライしなければなりません。また勝ち点が詰まっているので、いつ下がっていってしまうか分かりません。またこの夏場の時期にトレーニングをしていきます」

 

■DF 24 細川 淳矢(水戸)
勝ち点3を取れるチームになろうという意思疎通がある
「(3バックにした狙いは?)相手はコンパクトにしてくるチームなので、サイドで起点を作りたかったですし、(船谷)圭祐も生かしたかった。そういう意図を理解しながらゲームを進めました。守備で綻びは出てしまいましたが、あの1回の我慢強さがなかったです。

0-2の敗戦ですが、全然ネガティブになることではないと思っています。準備してやろうとしていることは出せたと思います。今日の圭祐や前の試合の僕など、自分が何とかしたいという気持ちが悪い方向に出てしまうことがあります。その気持ちは決してネガティブに思わないでもらいたいですね。本当にうまくいかないときは絶対にある。ここでブレずにズルズルいかないようにしたいと思います」

(今日は良い判断でボールを動かす場面がたくさんありました)プレーをしてやれる手ごたえはありました。前半は特に相手に怖さを感じなかったです。ただ、サッカーは本当にちょっとしたところで結果が決まる。これが悪い方向に行かないようにしていきたい。良い経験にしていきたいです。

(中盤でセカンドボールを拾えない時間帯がありました)僕たちがラインを低くしてしまったこともありましたし、処理でバウンドさせたこともありました。もっと遠くまで飛ばせれば良かったです。ベクトルは各々自分に向けて考えていると思う。映像を見ながら修正しないといけないと思います。

(林選手になかなかボールが収まりませんでした)どっちかというと、(林)陵平に収めようと思っていませんでした。困ったときに陵平に入れることはありましたが、それよりも、もっと相手の嫌がることをするという選択で、裏を狙わないといけなかったですし、外回しを早くして相手を揺さぶりたかったです。

(アクションをする姿勢がよく出た試合だったと思います)今週の練習において、相手の特徴を捉えてこうやって攻めるということを徹底的にやってきました。その意識は出せたと思います。チームの意思疎通がよくできた週でしたが、結果につながりませんでした。でも、やれたことに対する手ごたえを感じて、次の大分戦に向けてやっていきたいと思います。

(システム交代によって勝ち点1ではなく、勝ち点3を狙うメッセージを感じたのでは?)チーム全体でそうなっていることを感じました。監督も今まで引き分け狙いだったわけではないと思いますが、本当に上に行くために勝ち点3を取れるチームになろうという意思疎通がチーム全体でできていると感じています」

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