「ゼルビアTimes」郡司聡

【★無料公開】相馬直樹監督「全体的に勝ちにものすごく近づいたゲームだった」+金沢・柳下正明監督、佐藤洸一、中美慶哉【監督・選手コメント/ツエーゲン金沢戦】

■明治安田生命J2リーグ第37節・10月15日(日)15:00キックオフ
町田市立陸上競技場/2,587人
FC町田ゼルビア 1-1 ツエーゲン金沢
【得点者】町田/19分 平戸太貴 金沢/5分 佐藤洸一

 

■相馬 直樹監督(町田)
ーーまずは本日の試合の総括をお願いします。
「まずは今日も雨が降り続いている状況の中、われわれをサポートするためにたくさんの方々に集まっていただきました。残念ながらホームでまたその期待に応えられず、勝ち点3を一緒に喜ぶことはできませんでしたが、最後まで勝利に向けて戦うゲームを支えてくれたのはサポーターのみなさまの声援でした。ありがとうございましたとお伝えさせてください。

金沢さんはわれわれと近いスタイルで戦っているチームです。今日の試合は前からプレスをかけて早く攻めることをベースにしたチーム同士の対戦になりましたが、金沢さんはわれわれ以上にボールを取った後の出方を徹底してきたと思います。その結果、金沢さんには前半のファーストチャンスで点を取られてしまい、前半はずっと押し込まれるような状況で、相手にチャンスを作られる展開が続いてしまいました。

相手がやるべきことを徹底してきた状況に対して、自分たちがどう対処していくか。ベンチからも声をかけながら次第に対処できた部分もありましたが、ハーフタイムまで対処し切れなかった部分もありました。前半は相手がパワーを持って、狙いを持って前に出てきたことに加えて、自分たちも試合の入りの部分で怖がったというか、自信がなかったように思います。

自分たちがボールを持ったときもそうですが、相手にボ―ルが入ったときに抜かれるかもしれないけれど、1対1の状況では強く、厳しく、思い切ってボールにアプローチしなければいけませんが、そういったプレーに対して、自信のなさや怖がった部分が非常に出てしまった前半だったと思います。メンタル面にハッパをかけてピッチに入った後半は、選手たちが本当によく修正して、自分たちのゲーム展開にしてくれましたが、そこで点を取れなかったことが残念でした。全体的に勝ちにものすごく近づいたゲームでしたが、あと1点を取り切るという部分において、一つの原因は先ほども話したように、前半が相手のゲームになってしまったところに問題があります。

また、その一方で後半は自分たちのゲームになってきたところで、いくつかあった惜しいシーンで点を取り切れませんでした。その中でタカ(髙原)が防いでくれたシーンを含めて、本当に良く粘り強く戦っていましたが、最後に勝利まで持ち込むことはできませんでした。

なかなか勝ち切れない状況にあるのは、もっとトレーニングが必要なのか、何か声掛けが必要なのか、または選手の組み合わせの問題なのか、いろいろなことを考えながら、この状況をもう一つ突破できるようにしていきたいと思います。

でも、今日の試合は本当に選手たちはよく戦ってくれたと思いますし、前半からそれを出せていれば違う結果になっていたかもしれません。自分たちでもっとできたことがあったと思います。ここから先の残り5試合、勝ち点1を勝ち点3に変えていく努力を選手たちとしていきたいと思います」

ーー56分に李選手から森村選手に交代しましたが、その交代の意図をお聞かせください。
「後半が始まる前に自信を持ってピッチに入ろうという話をして選手たちを送り出したのですが、マイボールになる回数が少ないなと感じていました。選手を代えることでボランチの選手の立ち位置は変わってきますが、森村は高い重心を取るボランチなので、そのバランスを変えるために選手交代をしました。その中で実際にセカンドボールが拾えるようになって、前へスムーズにボールが出るようになりましたし、一つ狙った形が出たと思っています」

ーーハーフタイムにはメンタル面でハッパをかけたとのことですが、実際にはどのような刺激を選手に与えたのでしょうか?
「今日に関してはそこまでの刺激は与えていないです。みなさんも見ていて思ったと思いますが、スタンドから見ていたら一人ひとりがボールを持つこと、ボールをもらうこと、そしてボールを取りに行くことを怖がって見えるので、もっと自信を持って怖がらずにプレーしようという話をしました。結果がどうであれ、ホームでそんな姿をサポーターの方々には見せたくありません。

これは普段から話をしていることなのですが、ホームのサポーターに怖がってプレーをしている姿を見せてはいけない、見せたくないと僕自身は思っているので、前半は少しそういう部分が出ていたという話をしました。ハッパをかけたと言いましたが、怒ったわけではなく、いまピッチ上で起きていること、こういう部分で相手に上回られているという話をした後、最後にもっと自信を持っていこうという話はしました」

ーーシーズンも終盤に差し掛かった中で、選手たちが怖がるようになってしまった原因はどこにあるとお考えでしょうか?
「ホームでなかなか勝てていない状況なので、『今日はどうしても勝とう!』という形で選手を送り出したときに、それがプレッシャーになっていたのではないかと感じています。それに加え、金沢さんがボールを奪ってからわれわれの空いたスペースを狙い通りに突いてくることをしてきたときに、どうしたら良いのか、少しパニックになった部分もあったと思っています。それがそのまま前半の45分間は続いてしまいました。

原因は一つだけではないと思っていますが、プレーすることを楽しまないといけません。苦しんでいる選手たちをお客さんも見たくないと思います。これはいつも選手には言っていることですが、もちろん負ける姿も見たくないとはいえ、自分たちがチャレンジしてやり切ったのであればたとえ負けたとしても納得できますし、少なくとも戦えていない姿や、怖がっている姿を見せてはいけないと思います。

次のホームでは選手や私自身にも勝たなければならないというプレッシャーが掛かりますが、それは乗り越えなければいけませんし、そういったプレッシャーがある中でプレーできる選手が強くなる選手だと思います。ウチの選手がそういう選手になれるように僕からも声掛けをしていきたいと思います」

 

■柳下 正明監督(金沢)
ーーまずは本日の試合の総括をお願いします。
「われわれにとってこの勝ち点1は悪くない結果だと思います。町田の前へボールを運ぶ、フリーランニングをして前にどんどん湧き出てくる町田のサッカースタイルと今日のピッチ状況を考えると、何が起こっても不思議ではない、難しいゲームでした。その中で勝ち点1という結果は悪くないと思います。

ただわれわれにとって、今日のゲームは球際の厳しさという点で物足りなかったです。失点シーンもそうですし、後半に関しても最後のところで体を投げ出してはいましたが、セカンドボールを町田の選手に拾われています。もっとボール際の強さをトレーニングしていかなければいけないと思います。

それは攻撃に関しても同じで、やっぱり簡単にボールを失うシーンが見られるので、そのあたりもしっかりとボールを保持して、攻撃をしかけること。またボール際の厳しさや強さをもっとトレーニングしていかないといけないと感じました」

 

■FW 9 佐藤 洸一(金沢)
映像を確認してゴールの余韻に浸ります
「良い形で先制できたので、逃げ切りたかったですが、相手も勢いを持ってプレーしてきました。いまのウチのチームの状況を考えれば勝ち点1でも欲しいので、アウェイでの勝ち点1獲得は最低限の結果かなと思います。(ゴールシーンについて)後ろ気味にボールが来たのですが、止めずにしっかりとミートすることを心がけたら、良いところにシュートが飛んでくれました。これまでも何度か難しいシュートを決めることはありましたが、個人的にも良いシュートだったと思います。まだ映像を確認していないので、あとで映像を確認してゴールの余韻に浸ります」

 

■MF 10 中美 慶哉(金沢)
引き分けは最低限の結果
「90分間、球際の激しい攻防が続く試合となりました。どっちにもビッグチャンスはありましたし、どっちが勝ってもおかしくない試合だったと思います。勝ち点1という結果に終わりましたが、僕たちのいまの状況を考えると、引き分けという結果は最低限の結果と捉えて良いと思います。ゲーム内容を考えると、勝ち点1を取れたことが良かったです。

比較的町田はシンプルにロングボールを蹴って、セカンドボールを拾ってくるアグレッシブな戦い方が一人ひとり徹底されているチームです。今日も押し込まれる時間帯も多かったですし、いざボールを奪ってもゴールから遠い距離にあることで難しい試合展開になりました。縦に速いチームと対戦するときは、ボールを保持する時間が短く、今日もやりたいサッカーをできなかったかもしれませんが、勝ち点1を取れたことは良かったです。

残留争いを戦っている順位にいると、勝ち点を取ることが大きな結果となってきます。残り5試合、勝つことに越したことはないですが、負けないように引き分けでも勝ち点を積み重ねていくことも大事ですし、いまのチーム状況ならば勝利に持ち込める試合もできると思います。厳しさを持って残り5試合を戦いたいと思います」

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