長崎サッカーマガジン「ViSta」

【第24回Jリーグユース選手権大会 1回戦 仙台 対 長崎 レポート】~V・V長崎U-18、プリンスリーグ東北覇者を追い詰めるも、紙一重で涙をのむ~

10月9日(日)、宮城県の「ベガルタ仙台 泉パークタウン練習場」で「第24回Jリーグユース選手権大会」1回戦、「ベガルタ仙台 対 V・ファーレン長崎」が行われた。長崎は4-1-3-3、仙台は4-4-2のシステムで試合はスタート。

完全アウェイでの試合となった長崎は、立ち上がり9分に右サイドから、DF平澤健介-FW阿部龍之介-MF佐々木翼とつながれ、最後はFW齋藤耀之介にシュートを決められ失点。リーグ戦でも時折見られる「立ち上がりの脆さ」という弱点を露呈してしまう。攻めてもアタッキングサードでのミスが多く、仙台ゴールを脅かすには至らない。だが時間の経過とともに硬さが取れてくると、長崎のボールもつながりだし試合は互角の展開へ。この試合のポイントの一つが、堅守をウリにする仙台の守備、特にその要である、身長184cmのCB上田健斗をどう攻略するかということだったが、37分にスローインのボールをペナルティエリア前で受けたFW岡野凛平からの落としを、MF林田隆介がミドルシュートでたたき込みゴール。

原田武男監督の、前線でボールを持てるFW岡野凛平をクサビ役にしての積極的なミドルシュートで打開を狙うというプランどおりの形で1-1とすることに成功する。


後半に入っても互いに引かない両チーム。仙台は48分に攻撃の要であるFW齋藤が負傷退場してもチームバランスを崩さす、長崎もピッチ中央から何度も攻め込んでいく。長崎は後半75分にMF冨永恭平がミドルシュート。惜しくもシュートはバーを叩き得点こそならなかったが、90+1分に左サイドからボールをつないぎ、FW岡野がシュートを決めてついに逆転。これで勝負あったと思われた90+4分、パワープレーに出た仙台は、右サイドから、MF佐々木のクロスにDF上田が右足で合わせて同点。試合は前後半10分づつの延長戦へと投入する。



延長戦に入っても次々と選手を投入する仙台に対して、「良いゲームができていたので、流れを壊さないが良いと判断した(原田武男監督)」と、あえて動かないことを選択した長崎。好対照な采配で勝負に出た両チームの勝負は延長戦でも決着突かずPK戦へ。ホームの利を生かした声援を受け、キッカー全員が成功した仙台に対して、長崎は6人目が失敗し試合は仙台が勝利。長崎はJユースカップ初戦で涙を飲むこととなった。

原田武男 U-18監督コメント
「・・まぁ・・、勝たせてあげたかったですね。勝てるゲームだったと思いますし、勝たせてあげられなかったのは僕の責任だと思います。2点目を取ってから(試合終了まで)残り5分の使い方・・そのとき、自分に何ができたかと・・。仙台がCBを前に上げてきてパワープレーにきた中で、結果的にですが、1失点目と同じように、サイドの数的優位を作られてからクロスで失点したので・・時間の使い方、冷静さが大事だったと思いますし、、リードしてからでもマイボールの時間を増やすことができれば、良かったとは思います」

(完全アウェイでの最後まで競り合った試合、プリンスリーグ参入戦にこの経験は生きてくるのでは?)
「そうですね。生かさないといけないと思います。今日、十分に戦えた・・本当に、勝利に値するだけのプレーはみんなやってくれたので、そこは次に必ずつながるし、つなげないといけないですね」

○ベガルタ仙台U-18  2-2(PK6-5)V・ファーレン長崎U-18●
得点:9分 齋藤(仙台)、37分 林田(長崎)、90+1分 岡野(長崎)、90+4分 上田(仙台)

<V・ファーレン長崎U-18>
GK:21松永海斗
DF:6中田雄大、5藤武剛、4江川湧清、7坂本尚幸
MF:16水田光星、14冨永恭平、8林田隆介
FW:13野中魁、10里昴大、9岡野凛平
SUB
GK:1橋本海斗、DF:18増田開志、25酒井亮、17林田友彦、MF:22江川豊輝、24松本智寛、FW:23松崎颯太

<ベガルタ仙台U-18>
GK:21松浦祥太郎
DF:3平澤健介、5樫崎桂太、6上田健斗
MF:7熊谷奎哉、11佐々木翼、8館田晃太、荒井秀賀、粟野健翔
FW:10阿部龍之介、17齋藤耀之介
SUB
GK:22小田垣皓己、DF:2渡邊知生、20阿部空矢、30山下諒時、MF:12梅津玲央、27工藤蒼生、FW:19坂本琉維

 

reported by 藤原裕久

 

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ