犬の生活SUPER 西部謙司WEBマガジン POWERED BY EL GOLAZO

【戦術分析:千葉】課題考察① 下げる機能

●大ざっぱに3つの課題
明治安田生命J1リーグ第7節・ザスパクサツ群馬戦[1△1]では、ついにロングシュートを無人のゴールに決められてしまいました。ただ、これはもうコストです。バルセロナもマンチェスター・シティも同じような失点をシーズン中に喫しています。ハイプレスのメリットが、もろもろのデメリットを上回ればいいわけです。

ところが、ここまでのところ、それだけのメリットを享受できているかというと、かなり疑問ではあります。そこで、現状の課題や疑問点についてまとめてみたいと思います。

ただ、これから挙げていく課題や弱点があるからといって、もうこのやり方をやめろと、いま言うつもりは全くありません。まだ序盤戦ですし、じゃあ別のやり方にしたところで、別の課題や弱点が出てくるだけなのは、これまでに散々経験してきた通りです。

当面の課題は①ライン裏を突かれる、②相手のハイプレスの回避、③得点力。この3つかと思います。今回はまず、ハイラインの裏をどうするか。そのことについて考察します。

●下げる機能がない
3バックのフラットラインを基本としています。ハイラインはハイプレスの前提なので、それ自体はOKです。問題はラインを下げる機能が付いていないことかと思います。

ボールホルダーにプレッシャーが掛かっているなら、フラットなハイラインで問題ありません。本当にうまい相手だと、プレッシャーを受けている状態からでもパスが出てくることはあるのですが、それについてはより上位の課題なので今回はパスします。なので、当面の問題はプレッシャーが掛かっていない時のライン設定について。

ボールホルダーにプレッシャーが掛かっていない状態にも大ざっぱに2つあります。ボールがディフェンスラインから遠い時と近い時です。

(残り 1861文字/全文: 2598文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ