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【無料記事】Fリーグ2012 第13節 浦安は納得の3連勝! 町田は、危険水域に突入!?(2012/09/18)


後半、カウンターから相手ゴール前でフリーになる11永島だが、このあと追走する8渡井と飛び出したゴレイロ12藤原にはさまれてボールを奪われる。いい動きだが、フォローがないまま正面からアタックにいったときの難しさをこのシーンは物語っている。

ペスカドーラ町田 1-3 バルドラール浦安
2012年9月17日(月・祝) 15:00 KICKOFF
東京都・町田市立総合体育館
観客:1,114人

写真・文◆デジタルピヴォ! 編集部・山下

前半序盤に手痛いミスから2失点

町田に怪しい雰囲気が漂っている。
勝った浦安はこれで3連勝、勝ち点を18と伸ばして5位大分に同1差と迫った。次節はその大分が相手で勝てば順位が入れ替えるという上位進出への足が
かりをつかむチャンスが到来した。
「結果がついてきたので、(メンバー全員が)自信を深めている」とキャプテンの高橋が試合後の記者会見で胸を張ったとおりチームは上昇ムードに包まれている。

一方、敗れた町田はこれでホーム1分け2敗と今季ここまで勝利がない状態。そればかりか勝った相手は湘南(2勝)だけで、ここまで2勝4分け7敗・勝ち点10、浜松に勝った湘南と入れ替わる形で9位に転落した。会見も当然のように重苦しい雰囲気が充満した。

試合を振り返ろう。
開始2分、浦安が信じられない形で先制点を挙げる。町田の篠崎が相手を背負った状態でボールをキープしつつ自陣へ下がってきたときだ。ゴレイロの梅田が飛び出し「オーケー!」と叫ぶとしゃにむに蹴ってクリアに行った。ところがこのボールが篠崎に当たってゴール前にこぼれ、詰めた杉尾が労せずして無人のゴールへ流し込むという前代未聞のゴールとなった。
まだ1失点だ、凹む必要はない。町田は気持ちを切り替えプレーに集中する。そんな精神状態が手に取るようにわかる試合の序盤だった。
それから6分後、町田はまたも失点を重ねる。今度は左からファーポストを狙って入れてきた浦安のシュートパスを町田ディフェンスがクリアにいくがボールスピードとコースへの対応が不十分なまま体勢が崩れた状態で蹴ったためにボールはまたもゴール正面に。それを今度は渡井にきっちり蹴り込まれた。
手痛いミスからの2失点だが、どちらも浦安の激しい前プレがもたらしたものだった。ボールキープする町田の選手を執拗にチェイスして浦安はゴレイロ藤原以外の全員が町田のハーフに侵入するシーンもあったほどだった。
町田は序盤から難しい展開を強いられるが、金山を中心にホームゲームに欠けていた気迫あふれるプレーが随所に見られ、サポーターにとってそれが大きな救いだったはず。

町田のその懸命のプレーが後半6分に実る。
浦安ゴール前左8m、森谷が見事なトラップから前を向きピヴォに入った大地に強いパスを繰り出す。
ところがこれが誰も触ることなくスルスルとゴールに吸い込まれていった。試合はほんと、何が起こるかわからない。これで1-2。逆転ムードが高まるなかでときとして1点差はないに等しい。なおも仕掛ける町田。しかし、皮肉なことにその前がかりな姿勢が墓穴を掘る。
後半6分、浦安のお株を奪う前プレで町田が浦安ゴール前に迫る。ゴールほぼ正面の渡井から左の深津へ窮屈なパスが入る。執拗なプレスを受けながら懸命にキープする深津。奪われたら大ピンチになりかねないシーンで彼の視野にはタイミングを見計らって縦へ一気に抜けた中島の姿が。中島はフィクソを振り切ってドフリーで町田ゴール右へ迫るとそこへ深津からのロングボールが。中島は迷わず得意のボレーシュート。後半から出場したゴレイロ渡辺とニアポストの間をボールは見事に突き抜けた。
1-3。結局これが決勝点となった。

さて、試合後に浦安に続いて行われたホーム町田の記者会見である。ここで監督とキャプテンの前半の2失点に関する意見に食い違いがみられた。
そのコメントのポイントの部分を要約する。

関野監督
「前半の2点、特に1点目は事故のような点で、この2点に関しては、どんなゲームでのあり得る失点だと思うし、事故的に起きるところでいうと、あり得る失点なんで、あそこは僕の中では想定内のものだと思います」

キャプテン大地選手
「僕自身的には今日の3失点はすべて自分たちのミスだと思っているんで、そういった失点に直結する判断ミスだったりというのはここ最近、多くて、そういうミスが1個でもあるとフットサルの試合では勝てないと思う。なので、もっともっとひとりひとりが判断レベルを上げていかないと、この先同じことの繰り返しだと思う。そこをもっと意識を高めていきたいと思います」

監督が前半の2失点を交通事故のようなものとスルーしようとする一方で、キャプテンは失点に直結する判断ミスを重大なことと指摘する。そればかりか、キャプテンのコメントには「その判断ミスを修正するのが監督、あなたの仕事でしょ!?」といっているように、編集部は受け止めている。また、会見後に監督の手腕に疑問を呈する声も聞こえてきたことも事実だ。
監督とはチームを自分色に染める権利を有するが、人心掌握に失敗し、結果が出せなくなったとき責任をとらざるを得ない立場でもある。
関野監督と大地はロンドリーナ時代からの盟友であり、関野は2010年の2度目の監督就任時に大地をキャプテンに任命している。ジュニオール監督時代(第15節から横山に交替)の失点の多さを減らすことからチーム作りに着手した関野は守備の要として気心の知れた大地を起用、それに応えて大地は守備に汗をかいてきた。
この2人の意見のズレをあなたはどう受け止めますか?

ここであることに気づいたので町田の歴代監督の経歴を振り返ってみよう。

2007年 バイアーノ監督 4位/8チーム中
2008年 第5節までバイアーノ監督で2勝3敗 ※成績以上に選手との距離が開き辞任
第6節から関野監督が就任 5位/8チーム中
2009年 ジュニオール監督 2位/10チーム中
2010年 第14節までジュニオール監督で2勝3分け9敗
第15節から横山監督が就任 9位/10チーム中
2011年 関野監督 7位/10チーム中
2012年 関野監督 第13節終了時点で2勝4分け7敗で9位

今季の戦績が、2010年にジュニオール監督が解任される状況と驚くほど似通っている。
この数字が監督の責任かどうかはチームによる慎重な検証が必要だが、監督の立場が危険水域に差しかかっていることは確かだ。
こういう論旨を展開すると「アマチュアチームなのに監督の去就にまで言及するのはどうか」という声が聞こえてくる気がする。果たしてそうだろうか。名古屋のようなプロチームを相手に仮にも優勝目指して戦う以上、そんな生半可な態度が許されるのだろうか。


後半残り3分31秒、これもカウンターから8滝田が敵陣へボールを運び、左サイドを駆け上り裏を取った11永島に預ける。その瞬間、浦安の5小宮山が背後から永島を倒し、覚悟のファールでイエロー。浦安はこれで5ファールとなり、結果的に関野監督にパワープレー実行の判断を遅らせることになった。

[試合後の記者会見]

(町田の広報担当者が発声)それではペスカドーラ町田の記者会見を始めたいと思います。まず、今日の試合の感想から関野監督お願いします。

関野監督
「結果的には非常に悔しいものになりました。試合前に今シーズン、ホームで勝利がないので、湘南に勝った勢いに乗って全員で勝ち切ってホーム初勝利を挙げようと確認しあって試合に臨みました。選手たちはメチャクチャ気持ちが入ってたと思うんですけど、それがプラスの方向に作用しなかったのが今日の試合だったかなと思います。ま、ディフェンスも若干、前回の浦安戦と比べるとサイドのプレスもかからなかったと思うし、連動性も落ちてたと思います。それは何が原因なのかこれから考えていきます。
前半の2点、特に1点目は事故のような点で、2点目はディフェンスとしてクリアしたところを詰められてと。まあ、この2点に関しては、どんなゲームでもあり得る失点だと思うし、事故的に起きるところでいうと、あり得る失点なんで、あそこは僕の中では想定内のものだと思います。ですが、後半の1点、あそこは裏を完全に取られて決められた点なんで、唯一今日のゲームの中で完全に崩されてしまった点だったので、あそこに関しては修正しなければいけないと思います。ま、修正というか、元々わかっているところでの失点だったんで、そこをもう一回、意識という部分の改革をしなければいけないと思うし。ま、あの3点の失点のうちこの1点だけはまずいと僕の中では思っています。
点がなかなか取れなかったことに関しては、先週からなんですけど、ジャッピーニャ(本田)とユーキ(金山)が戻ってきて、やっとリーグ開幕時のセットが組めるようになって、それが今週からスタートする状況になって。なかなかまだそこがかみ合ってないなと正直、思いました。それとまだまだ2人ともコンディションが100%ではないので、ここという踏ん張り所でまだいい状態にはなっていないので、致し方ない部分はあると思います。また来週も恐らく横江と篠崎が累積で出られないと思うんで、次の試合に関してはまた1週間かけて考えることになると思うんですけど、とにかくこの負けたことっていうのは、真摯(しんし)に受け止める部分は受け止めて、ただ、次の試合がすぐ迫ってきてるんで、切り替えて次の試合このことを考えていきたいと思います」

大地キャプテンもコメントをお願いします。

大地選手
「僕自身的には今日の3失点はすべて自分たちのミスだと思っているんで、そういった失点に直結する判断ミスだったりというのはここ最近、多くて、そういうミスが1個でもあるとフットサルの試合では勝てないと思うんで、もっともっとひとりひとりが判断レベルを上げていかないと、この先同じことの繰り返しだと思う。そこをもっと意識を高めていきたいと思います」

それでは続きまして質問ある方、いらっしゃるでしょうか。

Q 監督に質問です。パワープレーの判断て難しいなと試合を見ていて思った。結局、2分を残してやったけれどもその前にもやるべきかどうか迷った部分はあった?
A (後半)残り4分ぐらいからやるつもりではいたんですけど、ただ、相手が5ファールになったんで、それで大地をフィクソに入れて金山、本田、永島という攻撃的な選手を前に置いて、どんどん仕掛けろと指示をして送り出しました。そこでファールが取れれば第2PKで1点差まで詰めれるんで、その段階からパワープレーに入ろうかなと。2分あれば1点をさらに取ることはできるんんじゃないかと。この前の湘南戦もパワープレーをやり始めたのが残り2分半でした。そこから同点に追いついて逆転までいけたという成功例があったんで、それでああいう形になりました。

Q 後半ゴールキーパーを交替した理由は。
A  ま、単純に、梅田のコンディションが悪いと僕が判断したので。1失点目もそうですし、そのあとの判断も含めて、決して体的コンディションじゃなくて、気持ち的コンディションというか、ちょっと気持ちが入りすぎちゃっているというか冷静さを失っているなと僕は感じたので後半は渡辺に替えました。

Q 渡辺は今季初出場?
A べっぷセントラルの大分戦で先発フル出場しました。

 

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