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【無料記事】清野コラム第1回 『今季関東リーグでFUGAとFIREFOXがなぜ強いのか!?』 (2012/9/22)

写真は清野監督(後列右から4人目)率いるZOTT WASEDA FUTSAL CLUB。

 

縁あって書かせていただくことになりました

 

ZOTT WASEDA FUTSAL CLUBの清野潤です。

今回縁あってこちらのサイトでコラムを書かせていただくことになりました。僕がさぼらなければ2週間に1回ほど登場することになりますので、皆様これからよろしくお願いいたします。

とは言え、今まで文章をしっかり書いたことがあるわけではなく、以前の雑誌であったときのフットサルマガジンピヴォ! でブラジル体験記やブラジルワールドカップ観戦記を数回書かせていただいた程度の経験しかない、いわば素人の文章なので、読みにくい部分等々あるとは思いますが、ご了承いただければと思います。出来る限り自分に正直に書きたいので、おかしいなと思ったことは愛と勇気を持って批判していきたいと思います。できるかな…(笑)

コラムの内容は多岐に渡る予定です。関東リーグの試合のインサイドレポート、関東1部チームの代表・監督・選手それぞれの立場から感じたこと、東京都選抜の監督としての立場から感じたこと、数度に渡るブラジル体験記、試合の観戦記等々。

また僕はチーム運営と共に小さいながら会社の経営も行っており、ブラジル発のフットサルブランドDalPonte(ダウポンチ)の日本総代理店として国内のDalPonte商品の企画・製造・販売を行っておりますので、メーカー側の視点からのことも書かせていただくこともあると思いますし、ZOTTのジュニアフットサルスクール運営、ジュニアチーム運営といった育成世代の指導者の視点からも書かせていただくと思います。

それでも予定どおり2週間に1回書いていればネタが切れることもあると思いますので、皆様方からのご要望をいただければ幸いです。

大きな要因は『メンタルの体力』?

前置きが長くなりましたが、第1回目は今年のFUGAとFIREFOXがなぜ強いのかについてです。

こちらを書いている9月20日現在では10試合終えてFUGAが8勝2分の無敗で勝ち点『26』、続いてFIREFOX『21』、カフリンガ『16』、浦安セグンド『13』、同じく『13』でZOTT、BlackShorts『10』、柏『9』、アルティスタ『5』といったように上2つが抜けている状況です。

なぜFUGAとFIREは強いのか。選手の質、選手層の厚さ…といってしまえば簡単で、実際2チームともこの2つが抜けているのは間違いないですが、それだけで勝てるほどフットサルは単純でも甘くもありません。

いくつもあると思いますが、僕が考える大きな要因としては『メンタルの体力』にあると思います。

『メンタルの体力』とは僕が勝手に考えた言葉で、文字化するとおかしな言葉ですが、他にうまい表現が思いつかないのでお許しください。

フィジカルとメンタルの状態を点数で表すことにして共に試合開始状態を100点とすると、フィジカルは100点であったものが試合開始直後から時間が経つにつれて減り続け、交代休憩により多少上がることはあっても100点に戻ることや100点を超えることは絶対に無く、コンスタントにピッチに立った選手なら終了時には大体20〜30点に減っているものなのに対し、メンタルは100点であったものが試合中のいろんな要因で大きく上がって開始直後の100点を超えて120点になったり、逆に試合の途中で大きく下がって50点になったりと上下するものということです。もちろん2つにも関係はあってフィジカルの点数が下がればメンタルの点数を維持することは難しく、ある程度比例して減りうるものではありますが、フィジカルと同じ分だけメンタルの点数が減り続けるチームは40分と長い試合時間のフットサルの試合で勝つことは難しいですよね。フットサルの試合において1番メンタルの点数を下げうるのが失点ですが、それ以外にも相手や審判の判定、時には味方に対してイライラしたり、試合運びがうまくいかなったりと、メンタルの点数が下がる要因はたくさんあります。これをいかに下げないで戦えるかが長い時間で行われるフットサルの試合の勝敗を分ける大きなポイントになってきます。

回りくどい説明になりましたが僕が言いたい『メンタルの体力』とは40分の試合の中で上下しうるメンタルの点数をどれだけ高いところで維持できるかの能力のことです。今年のFUGAとFIREはいろんなマイナス要因が試合中に降りかかってきてもメンタル的に高い位置で戦い続けることができる『メンタルの体力』があると思います。逆に下げるのを防ぐだけでなく上げるのもまたうまいと思います。この2チームが拮抗した試合でも最終的にはしっかり勝ちきれたり、先制された試合でも逆転できたり、また負けても大敗ではないのは『メンタルの体力』があるからだと思います。数字で見てもFUGAは10戦無敗、FIREは1敗ですし、ZOTT含め他の6チームは3点差以上つけられた、いわゆる完敗が何試合かずつあります。3点差以上離れた試合の試合終了時のメンタルの点数は勝者と敗者では雲泥の差があるはずです。

この2チームはなぜ『メンタルの体力』が高い?

メンタルの体力は戦い方にも大きく関わってくるものです。試合前に相手を研究して、今日はこういった戦い方を徹底しようとチームでミーティングして気合十分で試合に臨み、開始直後は意識できていても、失点等々の理由によってメンタルの点数が著しく減って、ミーティングで話したことを早々に見失ってしまった経験はありませんか? フットサルはどちらが優位だったかの判定ではなく40分終わったときの結果が全てのスポーツですから、途中経過によらず最後まで自分たちの戦い方を徹底できるかが重要になります。そういった観点からしてもこの2チームはどのような状況においても、攻守においてチームの戦い方を徹底できていると思います。

それでは、なぜこの2チームが『メンタルの体力』があるのか。これは僕の憶測でしかないですが、前述した選手層の厚さをよいほうに利用して普段からメンバー間の争いが激しい厳しい環境で練習を行っているからではないかなと思います。あとはFUGAは須賀君、FIREは難波田さんといったチーム全員が信じることのできるカリスマ的な存在がいるということです。こういった存在がいることが選手をどのような状況でも安心させ『メンタルの体力』を維持できる大きな要因になりますよね。

3位目指して最後まで頑張ります!

最後にZOTTについて少し。ZOTTは現段階で優勝の可能性は無くなってしまっており、今年のFIREの強さから考えると現実的には3位狙いが濃厚になっております。なぜ勝ててないか、これは書きだしたら長くなってしまうので省きますが、今コラムのテーマの欠如が1番の理由と思います。

ただ今年から地域チャンピオンズリーグ枠が拡大されたことにより関東からは3チームの出場が認められているので、3位と4位以下では天と地ほどの差があります。地域チャンピオンズリーグの先にはFリーグチームに挑戦できる数少ない大会のオーシャンアリーナカップがありますからね。メンタルの体力を強化することと、試合ごとの動機づけをハッキリさせて残り4試合、3位目指して頑張っていきます。

初回ということで前置きもあり長くなりました。また話の内容が固かったせいか少々論文めいた感じになってしまいましたが、次からはもっと楽に書きたいと思います。それでは。

ZOTTの清野潤選手は代表、監督も兼任する。その彼がチームの至らない部分を包み隠さず書いてくれたことにデジタルピヴォ! プラス編集部は衝撃を受けている。

 

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