[W杯本田コラム]“カズ離れ”できなかった日本は階段を登れたのか?
カズ参戦に沸いたフットサル日本代表のワールドカップは終わった。日本はグループステージ突破の目標を達成したが、もう少し上までいけるチャンスがあった。ウクライナ戦の前半は、まさに悲劇のような光景だった。
文・写真◆本田好伸
決勝トーナメント進出を決めた直後の木暮の言葉を借りよう。
「2000年の出られないところから始まって、次はフットサルW杯に出ないとこの先ないかもねというところから2004年に初めて出ることができて、でも1勝も挙げられなくて、次は初勝利を目指したのが前回の2008年だった。その中で(ソロモン諸島、キューバに勝って)2勝できましたが、予選は突破できなくて、ブラジル、ロシアには大差をつけられた。2006年にアジアのトップになっていますし、そういう自信を持って臨んでも、世界との壁を痛感しました。各W杯ごとに日本の強さを証明できているのはうれしいです。それはすべて『フットサル』という言葉自体が日の目を見ない時期から頑張ってきた選手、関係者の想いも乗っかっていると思います。もちろん、ここに来たくても来られなかった選手、Fリーグ、地域リーグで日本代表を目指してプレーしている選手、フットサルが好きでいつも応援してくれる人たち。そういう人たちの想いも、絶対にゲームに出ていると思う。ここに来た14人とスタッフが一番、その喜びを感じられていますが、それだけじゃない。本当に多くの人たちの想いがつまっているし、今日(リビア戦)の試合前もそういう昔の代表選手たちからもメールが来ましたが、フットサル界全体としての快挙だと、この結果を受け止めています」
そう、日本が残した結果は、歴史的な快挙なのだ。
ブラジルとは1対4と3点差ゲームを演じた。
ブラジルに0対4とされた後半、日本はグループリーグの残り2試合を見据えて、これ以上点差を離されない戦いを選択した。リスクを掛けて攻撃をせずに、守備に重点を置きながら戦い、しかも1点を奪い返した。上出来だった。
ポルトガルには、前半にまさかの5失点。リカルジーニョを中心に、ポルトガルのパス回しになす術なくやられた。ただ、森岡、星の2点で前半を2対5で折り返したことで救われた。「過去最低の内容」(ミゲル監督)というほどの前半だったが、日本は後半に怒濤の追い上げを見せたのだ。小曽戸をゴレイロにしたパワープレーが見事にはまり、北原、森岡、逸見が決めて奇跡的な同点劇を演じた。世界トップ5のポルトガルに見せた激闘は、日本のベストゲームとなった。
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