前日の教訓を生かし、イランに勝利した日本(第3回女子ワールドトーナメント)
イラン戦に挑んだ日本代表。日本はイランに2-1ときっちり勝利した。
20分ごとに印象が全く違う。
男子にも通ずることだが、女子日本代表も見ている者にそんな印象を与える。いいときのパフォーマンスと苦しいときのそれにあまりにも落差があるからなのかもしれない。
前半を見れていれば「あぁ、楽に勝てるな」と思い、後半だけを見ていると「あぁ、これはまずいぞ」となる。20分ごとのパフォーマンスを足して2で割ることができれば、安定したいい戦いを試合を通じてできるのだろうが、どうもそうはいかない。なぜなら彼女たちには試合の経験が圧倒的に不足しているからだ。場数を踏んでいないから試合をコントロールすることができない。
しかし、この日の後半、日本は1点を決められたが前日に行われたベネズエラ戦ほど慌てなかった。浮き足立ちもしなかった。同じ過ちも犯さなかった。なぜなら彼女たちには前日のベネズエラ戦の経験があったからだ。
前半早々に日本はゴールを奪う。得点は非常にラッキーな形だった。中島詩織が打ったシュートがディフェンスに当たり、そのままゴールへ。高く上がったボールは緩やかにゴールマウスに向かっていく。何の変哲もないボールだ。そのルーズボールをイランのゴレイロはジャンプしてキャッチしたかに見えたが、ファンブルし、そのまま自軍のゴールへ流してしまった。
思わぬ形で1点をリードした日本は自陣にファーストラインを設定したイランに対して優位に試合を進める。パスを回し、各選手の個性を活かし、シュートまで持ち込んでいた。ピヴォに入る阿部真美を起点にしたり、吉林千景をサイドで仕掛けさせたり、関灘美那子を走らせ、サイドで勝負させたり。後方では中島、井野美聡、芝原夏奈がゲームコントロールし、ボールを振り分ける。時折、セットプレーの選択が悪かったり、組み立ての段階でミスパスをさらわれ、イランにカウンターを浴びたが、ゴレイロの本多さかえが何とかセーブし、得点を許さなかった。
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